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JR北海道の諸課題

  • 2016年09月21日

 地元にとっては自治体の存亡に関わる問題とも言える赤字路線の縮小ですが、この問題について知事は、国へは支援を求めるとか、今後の「地域公共交通検討会議」の提案を踏まえるなどと答弁されて来ました。

 この検討会議では、将来の方向性をJR北海道としてはどのように描いているのか、そして、北海道交通ネットワーク総合ビジョンに関わる鉄道網について、道はどのように描いているのかという指摘もあり、様々な立場で出席している検討会議の皆さんからも疑問の声が出されています。

 鉄道は、ご存じの通り単なる長距離移動の手段だけでは無く、日常の生活に密着した機能を有し、地方に取っては切り離すことの出来ないものとなっています。

 当然のことながら隣町や地方都市、中規模都市への通学や通勤、そして、買い物やレジャーなどにも利用されておりますし、近年の鉄道ブームや訪れたことの無い街へのノスタルジックトラベルなど、地方都市においても鉄道が新しい観光として着目されています。

 そして、人口減を、観光による交流人口ということで地域活性化に結びつけようと取り組んでいる自治体も多くあります。

 更に言わずもがなですが、都市部から地方の診療所などへの医師の派遣、逆に地方から都市部への通院など命に関わる医療への関与も、切り離すことの出来ない鉄道の存在意義となっています。

 地域の足を守る責務を負うのは、一体誰なのでしょうか。

 北海道の鉄道は、民営化された時から九州、四国、北海道の3島問題を引きずっています。

 とりわけ北海道は、広域・分散型、加えて積雪・寒冷の地勢であり、1島に7県及び4県という広域自治体を有し、年間を通して温暖な九州・四国・とは置かれた地勢と自然環境が全くということを国は重視しなければなりません。

 いわゆる、沖縄・北海道開発庁があった様に、北海道は特別に配慮しなければならない地域であり、今も北海道開発局は国交省に属する国の事務を一元的に取り扱っています。

 更に北海道は、稚内、根室などロシアとの国境や北方領土に接している地域です。

 そして、この稚内と根室は、区間別輸送密度で500人~2,000人というこの度のJR北海道の見直し検討路線に含まれる事になりそうです。

 国土の重要地点の幹線鉄道が、縮小・存廃の対象になり、ひいては過疎となっていく事もまた、大きな問題であると思います。

 北海道の鉄路を守るのは、無論、主体になるJR北海道はもちろん、利用する道民、道民の移動を確保し、その手段を維持しなければならない北海道、そして地域住民の生活を守る各自治体、何より国策として国内交通ネットワークの整備と、国民の移動の自由を確保するための方策を講じなければならない国が一体となって解決の道を模索していかなければなりません。

 北海道の鉄道を守るために、国は特殊事情を抱えるJR北海道の鉄道インフラ整備を恒常的に支援するシステムを構築すること、沿線自治体は住民の足の確保にどのような交通手段が必要か住民と十分に協議をすること、道は、道民や観光客の移動に遺漏が無いように交通ネットワークの充足に努力すること、住民も鉄道があれば良いと言うことでは無く、実情に合った交通手段の確保に協力すること等が求められていると思います。

 いわゆる、誰が得したということでは無く、「三(五)方一両損」でそれぞれがその立場での応分の負担をするということでは無いかと私は思いますが、いかがでしょうか。


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