背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

枯れ葉剤が道内にも

  • 2022年02月02日

 1965年~75年にかけて行われたベトナム戦争は、米軍による枯れ葉剤使用が大きな問題となりました。

 ご存じの通り、枯れ葉剤は猛毒のダイオキシンを含む化学物質で、発がん性や胎児への影響、催奇形性などが指摘され、ベトナム政府によると最大300万人が枯れ葉剤に晒され、今も先天性欠損を抱える子ども15万人を含む100万人が健康への深刻な影響を受けていると公表しています。

 枯れ葉剤の原料である「2、4、5T(トリクロロフェノキシ酢酸)剤」は1967年から福岡県大牟田市の三井東圧化学で作られ、そのほとんどが輸出用となっており、米国の枯れ葉剤製造メーカーの資料には、調達先が三井物産である事が記されていました。

 この枯れ葉剤は、日本も全国各地の国有林に除草用として撒いていましたが、1970年に、米国はベトナムに従軍した兵士の中に枯れ葉剤の影響で身体に影響が出たり、その兵士の子ども達の体に異常が現れたことから使用を禁止、それに伴い日本政府も使用を中止し、余剰となった「245T剤」は顆粒状の薬剤2万5062kg、乳剤2132リットルを全国17道県50市町村に埋設処理をしました。

 北海道もその一つで、夕張市、遠軽町、音更町、清水町、標茶町、本別町に埋設されています。

 ダイオキシンについては「ダイオキシン類対策特別法」が当該法となっていますが、その第1条では<この法律は、ダイオキシン類が人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある物質である事を鑑み、ダイオキシン類による環境の汚染の防止及びその除去等をするため、ダイオキシン類に関する施策の基本とすべき基準を定めるとともに、必要な規制、汚染土壌に係る措置等を定めることにより、国民の健康の保護を図ることを目的とする。>と規定しています。

 道の環境生活部は、北海道の環境行政を所管していますから、枯れ葉剤に含有されている猛毒ダイオキシンが道内に埋設されていることに無関心であってはなりません。

 このことについて、道議会の環境生活委員会で質問をしましたが、このことについてまったく知り得ていませんでした。

 そして、これら埋設された枯れ葉剤については「廃棄物」では無いので所管外であるとの見解を示しました。

 約50年前、国有林内とはいえ北海道という広域自治体に猛毒のダイオキシンを含む「枯れ葉剤」を埋設するのに国が道に説明も無かったことはあり得ないと思います。

 この問題は、しばらく追い続けたいと思いますが、委員会において、早急に撤去するように国に申し入れるよう強く要請しました。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.