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国民も攻撃に晒される(ブログ3066)

  • 2022年12月04日

 防衛3文書の成立の根本にあるのは、<中国が台湾を攻撃する⇒その際に米軍が参戦する⇒中国が米軍を攻撃する⇒日本は我が国が存立危機に陥ると判断して集団的自衛権を行使し、敵基地攻撃を行う>ということで、トマホークを購入する、イージス艦を増やす、ひゅうが型、いずも型を空母に改良する、国内軍需産業を復活させる、大学の研究を国防にシフトする等々を行おうとしています。

 しかし、先ほどの「⇒」にはまだ先があります。<集団的自衛権を行使して敵基地攻撃を行う⇒中国は日本国内の米軍基地・自衛隊基地を直接攻撃をする⇒日本が中国の指令施設を攻撃する⇒本格的な戦争になって原発などのインフラが攻撃される(核を使用しなくても効果は同様)⇒国民の多くが犠牲となり、破壊的な損害を被る。>となるのは容易に想像できます。そして、引き金のなる相手の攻撃の着手をいつ、どのように判断するのでしょうか。

 柳沢協二:元内閣官房副長官が、今回の防衛3文書に規定されるであろう敵基地攻撃能力について東京新聞に寄稿しました。

 <最大の問題は、日本を狙う攻撃の着手を事前に認定しても、叩けば結果として日本が先に相手の本土を攻撃する構図となる事だ。国際法上は遠征攻撃では無いとの理屈でも、相手に日本本土を攻撃する大義名分を与えてしまう。確実に戦争を拡大させ、際限の無いミサイルの撃ち合いに発展する。>、<中国や北朝鮮は相当数のミサイル施設があり、一気に潰さなければ報復される。相手を脅して攻撃を思いとどませる『抑止力』についても、軍事大国の中国に対して、ちょっとした敵基地攻撃能力をもって抑止できるとは思えず、反撃を受けた場合の民間人防護の議論も無い。論理として完結していない。>、<ロシアのウクライナ侵攻で国民に不安が広がるのは当たり前と言えるが、敵基地攻撃という戦争に備える政策を選ぶのなら、国民にも攻撃が及ぶ恐れがあると政治家が伝えなければいけない。相手への攻撃ばかり注目されているが、日本も確実にミサイルを打たれる。国民全体が戦争に耐え抜く思いになっているかが疑問で、国民に都合の悪い事実を伝えていない。>、<ウクライナがなぜロシア本土を攻撃しないかというと、攻撃すれば核を含めたより強力な反撃に口実を与えかねないからだ。軍事大国を相手にした戦争では、相手と同じ事をしてはいけない。

 今、日本政府、とりわけ自民党はイケイケドンドンですが、国民は、冷静に考えなければなりません。

 軍備を増強して敵基地攻撃能力を持てば、敵を刺激するだけで決して抑止にはなりません。「やるのか? やるならやろうじゃないか。」とはタダのケンカですが、それを国と国のケンカにしてはいけないということです。

 私たちはプーチンでも他の独裁者でもありません。知恵を働かせ、最悪を避けることが重要であって、武器に勤しむべきではないのです。


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