背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

北方領土の日

  • 2021年02月07日

 今日7日は「北方領土の日」です。

 例年、この日は、東京で「北方領土返還要求全国大会」が開催され、全ての都道府県から多くの関係者が一堂に会して、北方領土の早期返還を内外に訴えていましたが、今年は昨年に続き一般参加無しの大会となりました。

 菅氏は、今年の施政執行演説で日ロ関係とりわけ北方領土問題に触れ、「北方領土問題を次世代に先送りせず、終止符を打たねばなりません。2018年のシンガポールでの首脳会談のやりとりは引き継いでおり、これまで両国間の諸合意を踏まえて交渉を進めて参ります。」と話し、今大会へのビデオメッセージも全く同様の内容となっています。

 しかし、昨年の総理就任から今日まで北方領土問題に関わってプーチン氏と話したなどニュースにもなっていません。

 就任後に電話で話したようですが、就任の挨拶程度で具体的にこの問題で首脳会議を持つことさえも提案していません。

 そして今日、「北方領土の日」を迎えましたが、国民に対しての呼びかけもありきたりの言葉となっており、とても残念です。

 ロシアは日本の「北方領土の日」に合わせるように、6日から国後島沿岸でロシア軍による射撃訓練を始め、27日まで実施する予定となっています。

 この射撃訓練について、ロシア政府は4日に日本に通告しましたが政府は「我が国の立場と相容れない。」と抗議しただけです。

 マニュアル通りの反応に、ロシア政府は何と思ったでしょう。

 昨年ロシアは憲法を改正、領土割譲に向けた行為や呼びかけに対し最高禁固10年の罰則を盛り込んだ「領土割譲禁止」条項を盛り込みました。

 筑波大学の中村逸郎教授(ロシア政治学)は、「1992年開始のビザ無し交流は例年7月~8月に実施するために2月には準備が始まりますが、今年は動きがない。昨年はコロナ禍で全面中止。ロシア側はこれを既成事実として交流を打ち切るつもりではないか。」と発言しています。(日刊ゲンダイ)

 ちなみにシンガポールでの首脳会談は、「1956年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約を加速させる。」というものです。

日ソ共同宣言とは、「両国は、正常な外交関係が回復された後、平和条約の交渉を継続する。平和条約の締結後に歯舞群島・色丹島を我が国に引き渡す。」という内容です。

このシンガポール合意を基に安倍氏は2島返還に舵を切ったと批判されましたが、それ以降、基本的な立場である「4島返還」、とか「我が国固有の領土」という言葉が「北方領土返還全国大会」の場からも消えてしまいました。

そして菅氏は、6日から始まったロシア軍による射撃訓練にも建前だけの抗議を行っただけで、ロシア政府による現実的な実効支配から目を背けています。

菅氏は、今日の日を迎え、少なくても「北方領土は譲ることの出来ない日本固有の領土である。」と内外に宣言するべきだったと思います。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.