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劣悪な原発作業

  • 2016年04月22日

 福島県労働局が発表した昨年1年間の福島原発に関する除染作業報告は、今まで闇に隠されていた原発での除染作業に関わる、杜撰な労働実態を明らかにすることになりました。

 除染作業に携わった1,299事業者うち、なんと6割を超える839事業者で労働基本法や労働安全衛生法の違反があり、立ち入り検査の結果、違反は1,586件にも上る事が判明、他の産業の労基法違反と比較しても異常な多さとなっています。

 この数は1事業所当たり複数の違反が発覚したことを示し、その内容は時間外割り増し賃金を支払っていないなどの労働条件関係が691件、作業時に必要な線量計や防塵マスクを付けていないなど安全衛生関係が859件も確認されました。

 さらに、第1原発の廃炉作業では、関わる309事業者のうち、半数以上の167事業者が296件の違反を起こしてたことも確認されました。

 原発の除染作業、廃炉作業とも、当初から賃金のピンハネや線量計での被爆量を無視した劣悪な作業実態が懸念されていましたが、図らずも今回の立ち入り調査で違反が日常的に行われていたことが裏付けられることになりました。

 まさに、現場での作業員は使い捨て。

 電力会社から大手が受注した時の作業賃金は、特殊な作業であることから高く積算されていても、子請け、孫請け、ひ孫請けが横行し、その都度、会社がピンハネを行い一般土木作業などと同じような賃金までになってしまうことも当たり前となり、さらに、被爆線量の基準を超えても作業日報には記載せず、表向きは基準内ということになっていますが、作業員は、体調を崩して長くは勤められず、急性白血病など被爆による体調の変化に見舞われても、基準を超える被爆量の証拠は無く、労災認定は認められずに死を覚悟しなければならない、まさしく、国策である原発の犠牲者となってしまうということです。

 今回の調査で明らかになった事案については、労働局が是正指導を行ったとされていますが、表面だけの指導では、また同じ事が繰り返されることでしょう。

 例え違反が続き、事業者が営業停止になっても、名前を変え、名義を変えて同じ事を繰り返す事を私たちは勿論、労基署も知っていることと思います。


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