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ベーシック・インカム

  • 2016年01月09日

 「ベーシックインカム(BI)」という言葉をご存じでしょうか。

 ネット辞書の「ウィキペディア」によると、

 『「ベーシックインカム(BI)」とは、最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給する考え方(基礎所得保障、基本所得保障、国民配当)・・・1970年代のヨーロッパで議論が始まっており、2000年代になってからは新自由主義者を中心として、世界と日本でも話題にのぼるようになった。』

 と解説されています。

 早い話が、「年金」、「雇用保険」、「生活保護」等を廃止し、全国民に毎月一定額を支給するというシステムのことで、「最低生活保障」とも呼ばれいますが、このBIについて、フィンランドのシビラ首相は昨年導入検討を宣言し、早ければ2017年から2年間、試行的に導入する予定で、国民の7割が導入を支持しているとの記事が「日刊ゲンダイ」に掲載されました。

 記事によると、複雑化した社会保障制度を廃止する代わりに、全国民540万人に毎月800ユーロ(約11万円)無条件に支給するもので、導入が決まれば世界初であり、オランダの第4の都市ユトレヒトでも試験的な導入を決めているとのこと。

 このBIの導入のメリットとしては、

 ・社会保障制度が簡素化し、年金機構など関係する役所もいらなくなり、自治体が行っている生活保護業務も不要となる究極の行革となる。

 ・フィンランドの場合、毎月一人に対し約11万円の支給ですが、日本の場合、最低年金 保障の約7万円でも4人家族で28万円となり、次の仕事を探すにもゆとりを持って探すことができ、併せて、「医療扶助」、「養育費給付」等、個別対策ではなく包括的な国 民生活の最低限度の収入を補償することから、不公平や逆差別といった問題が解消できる。

 ・さらに、企業は雇用調整を簡単に行うことが出来、新産業創出効果が期待できる。

 ・非正規雇用と正規雇用との格差解消に繋がる。

 ・不本意で劣悪な労働環境下で働く必要が無くなり、ブラック企業の悪しき慣習が是正される。

 ・全ての国民に一定の収入が補償されることから、最低限以上の生活が送れることにより、ワーキングプアの解消につながる。

 ・また、子どもが増えることによって所得増加に繋がり、少子化対策となる。

 ・BIが全国一律で支給された場合、物価の安い地方への居住の動機付けとなる。

 ・社会保障の簡素化で、生活保護の不正受給問題などが解消される。

 ・現行の「年金」や「生活保護」制度には所得制限が有り、働いて収入を得ると減額や支給停止となり、さらに真面目に働くより、全く働かずに生活保護に頼る方が収入が多くなると言う逆転現象が発生し、更なる労号意欲の低下を招くとも言われるが、BIの場合、所得制限が無いため働けば働くほど収入が増え、労働意欲が向上する。

 ・仕事と余暇の割り当てが自由にできることにより、余暇へ時間を割り当てるのことによって生活にゆとりが出来る。

 ・直接給付と、余暇の充実により、高齢者や高所得者が貯蓄から消費にシフトを替える現象が起こることや、若い方々が余暇を楽しむことにより景気対策にもなる。

 等々であるが、当然財源の問題も派生する。

 これまでの試算によると、各種社会保障制度をBIに置き換えた場合、1円も増税することなく国民一人に対し、4万6000円支給できるとも言われています。

 このシステムには様々な考え方が有ることは承知ですが、2017年からのフィンランドでの社会実験(試行)がどのようなものになるのか、十分注視する価値があると思います。


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