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医療の先行き

  • 2016年01月08日

 2年に一度の診療報酬改定案が示されました。

 全体としては-1.03%ではありますが、薬価部分を除いた本体部分は+0.49%(内訳は、医科が+0.56%、歯科が+0.61%、調剤が+0.17%となり、これまでの、医科:歯科:調剤比率=1:1.1:0.3は維持)、一方、調剤報酬適正化を加味すると、調剤は-1.52%となり、2回連続のマイナス改定となりました。

 塩崎厚労相は、「厳しい財政状況の中で、より良い医療の実現に向けて財源を確保した。大きな成果であったと思う。」とコメントし、医療を重視したことを強調していますが、今後、日本の医療は国内だけでの問題だけではなく、対外的な寒風にも晒されることになります。

 昨年、TPPの大筋合意がなされ、今年の通常国会で議論が交わされることになりますが、その「合意文書」内の「付属文書」、「日米間の交換文書」、「国家戦略特区での議論」などで、今後の「混合診療の事実上の全面解禁」、「株式会社など、医療への企業参入」が避けて通れないものと想定されます。

 米国の興味が大きく、門戸を開くように迫っている金融、医療、保険等の中で、医療は特に開放を求められる分野であり、さらに保険へもつながる大きな利潤がぶら下がっている分野だからであります。

 「日米間の交換文書」では、医薬品の償還価格、イコール薬価基準については、将来、協議を行うことが記載されており、TPPに関わって、今後は日本政府が薬価を決定する今の制度が米国にとっての障壁と決めつけられ、米国の同意無しには薬価が決められなくなる可能性が有ります。

 また、日本政府は、国民皆保険制度は守ると言っていますから、米国政府が、日本の国民皆保険制度を直接的に問題化することは無いにしても、現行の医薬品、医療機器の価格規制の撤廃、緩和を求め、価格の上昇を要求する可能性は大きくなってくるでしょう。

 いずれにしても、日本の医療を守るために、政府、日本医師会等関係団体、国民が足並みを揃え、混合診療の導入や株式会社の参入と併せて、米国などの圧力に対抗していかなければなりません。


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