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ウミガメと不織布

  • 2022年02月12日

 昨年8月、岩手県沿岸の定置網に入り込んでしまったアオウミガメの「ふん」から不織布のマスクが見つかったことを、東京農工大学と東京大学の研究グループが先日発表したことが新聞赤旗に掲載されていました。

 これによると、<研究グループの分析で、ポリプロピレン製の不織布マスクである事を確認、この海域では過去15年以上にわたってウミガメの生態調査を行ってきましたが、マスクが「ふん」から見つかったことはありません。ポリプロピレンはプラスチックの一種で、ウミガメが添加されている有害な化学物質に晒され、その影響を受けていることが懸念されます。また、研究グループが、市販されている5社の不織布マスクを分析した結果、4社の不織布から内分泌攪乱作用(環境ホルモン)が指摘されている紫外線吸収剤を含む6種類の添加物が検出されました。>とのこと。

 ご存じのように、これまで学校給食で使用していたポリプロピレンの食器は、内分泌攪乱物質が含まれている疑いがある事から、現在使われておりません。

 さて改めて、今回の事案には少なくても二つの問題点が含まれているように思います。

 第1に、使用済みの不織布マスクがどのような経路で海洋に辿り着いたのか。

 マスクは感染症を防ぐために着用しているもので、陽性であろうが、陰性であろうが、濃厚接触者であろうが、使用済みのマスクはごみ回収袋に入れて収集日に排出し、収集後には清掃工場で焼却処分されるのがセオリーで、陽性者はより厳重な排出が求められます。

 使用済みのマスクをそこら辺に捨ててしまう、ましてや河川や海岸などの環境中に捨てるなど、不見識も甚だしく、厳に慎まなければならないということ。

 第2に、市販されている不織布の5社中4社の製品に、内分泌攪乱物質を含む添加剤が含まれていたということです。

 不織布マスクはヒトが口及び鼻に着用するだけで、固形体として直接体内に取り込む訳ではありませんが、少し気になりましたので、不織布のことを調べてみました。

 不織布は文字通り、「織り布に非ず」で、プラスチック繊維を薄い綿状にし、合成樹脂接着剤で成形したものに抗菌剤や減菌剤を入れて紙のようにしたもので、抗菌剤や減菌剤の効果を持続させるために界面活性剤も入っています。

 少し神経質のようですが、抗菌剤や減菌剤は体内の「常在菌(口腔内の微生物や腸内菌等)」を減少させますし、界面活性剤は皮膚から血液に入り込み、肝臓に蓄積して肝機能、生殖機能の低下や発がん性、アレルギーをも引き起こすことが指摘されています。

 また、有害物質は固形物であれば体内に備わっているある程度の解毒作用と体外排出により緩和が図られますが、気体として吸い込んでしまえば血液に入り全身を巡ることから身体に与えるダメージは少なくないと言われています。

 そのことから、小児科の先生は抵抗力の少ない幼児への抗生剤(抗菌剤)の投与はに細心の注意を払います。

 長引くコロナウィルス感染症予防のためにはマスクは必須ですし、スーパーコンピューター富岳では、不織布マスクが感染症予防に効果が有ると計算しました。ウミガメの生態調査は、海洋プラスチック問題だけでは無く、コロナの日常にも問題点を投げかけました。


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