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高齢者が未来を(ブログ3420)

  • 2023年12月10日

 サンデーモーニングのコメンテーターとしてご存じの、多摩大学学長である寺島実郎氏が、「全国高齢者集会」で講演された内容を参考にして、今後の高齢化について考えます。

 日本の人口は1966年に1億人を突破、その時の65歳以上の人口は660万人で総人口の6.6%でした。一方、今の日本の人口が1億人を割ると考えられているのが2056年、今から33年後ですが、その時の65歳以上の人口は3,760万人で総人口の37.6%となり、同じ1億人でも約4割が65歳以上ということになります。

 そして、高齢者ほど投票に行くという傾向が続いていけば、有効投票の約6割が高齢者投票と言うことになります。すなわち、高齢者の圧倒的な支持を受けるような戦略的政策論を展開していく政党が政権を握ることになるということです。

 あらゆる戦略は人口論に始まり人口論に終わります。したがって、高齢者が大きな塊になれば、日本のパワーバランスが変わりますから、高齢者はその方向感で一生懸命になる事が大切です。

 日本が異次元の高齢者社会に立ち向かっていくということがすごく重要なのは、アジアの国々もその後を追いかけてきます。既に韓国も中国もインドも高齢化が進行しています。

 ですから日本の高齢化対策を非常に関心を持って見ています。日本が様々なチャレンジをして高齢化施策のプログラムを作り、制度設計を行えば、アジアに対して大きな位置を占めることになるでしょう。

 今の日本を見ていると「老人(高齢の政治家)が戦争を起こし、若者が戦争に行く」という構図になっています。方向性を誤れば、そういうことになりかねません。

 まさしく日本は衰退していますが、今の時点でからでも、危機感を共有しなければならないと言うことになります。

 日本の食糧自給率は38%、先進国で最低の数字となっています、つい先日も、次年度に行う新たな「農業基本法」の改正に向けて、日本は、大人一人当たり1日1,900キロカロリーを割り込んでしまう事が懸念されると政府が言っています。

 食料の輸入が途絶えれば「餓死」という言葉も現実的で、1,900カロリーと言えば、第二次世界大戦中の日本の食糧事情に匹敵する数字です。今の日本の大人18歳~65歳までの平均必要カロリーは2,600~2,700カロリーと言われています。

 都会に人が集まれば、地方の人口が減少するのは当然の相関です。都会で食料は作れません。そして、今や単身世帯が増え、母子家庭・父子家庭、夫婦のみの家庭は67%にも及んでいます。人口減少、そして高齢化、都市への集中、農水産物の後継者不足は、日本の衰退を加速させるものです。

 元気な高齢者は、地方で農業を引き受けるなど、多くの高齢者が集まり政府を動かすシステムを作り直し行かなければなりません。そのためには既得権にしがみついている3世4世の政治家を断ち切り、65歳以上の高齢者こそが未来の政策に道筋をつける役割を積極的に担っていくことで日本が変わるということを共通の認識にしなければなりません。  古希を迎える私自身も、孫達のために、これまで積み重ねてきた知識と経験をもう少し活かしていきたいと思います。


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