高市氏の政治手法は(ブログ4055)
- 2025年10月04日
自民党総裁選で高市氏が勝ち、石破氏に代わる自民党総裁になりました。
5人の候補者の中では林氏が一番安定感があるし、各党との調整にも力を発揮出来ると思っていましたが、自民党の議員の皆さんは「安倍回帰」の高市氏を選択したようです。
今後は、党役員の選出が行われ、その後臨時国会、そして首班指名、組閣という流れになります。このチャンスに野党がまとまらず、政権奪還が出来ない場合は、高市氏が総理大臣となって日本の舵取りを行う事になりますが、今の国会状況の中で、どのような政権運営をおこなうのかが注目されます。
総裁指名までは高揚感に満ちていましたが、イザ総裁となると様々な重い課題が横たわっていることに、改めて戸惑っているのではないかと思います。
総裁として党内をどのようにまとめていくのでしょうか、また、今まで友党として連立を組んできた公明党は、斉藤代表が政治と金や靖国参拝、歴史観、外国人政策など、今まで威勢良く発言していた高市氏にクギを刺したことから、公明党との連立を維持していくためには持論を封じなければなりませんし、他の党との政策協力をどの程度視野に入れるのか、さらに、対中国との距離感、トランプとの首脳会談、APEC出席で問われる外交能力等々、果たしてこれらの課題を乗り越えていけるのか。
また、当面する物価高騰対策、米増産の具体策の他に、日本をどのような国にするのかというビジョンを示さなければなりません。
どちらを向いても四面楚歌の政治状況の中で、果たして高市カラーが出せるのか。
心配なのは、高市氏が尊敬している政治家です。イギリスのサッチャー元首相、そして安倍元首相を尊敬しているとのこと。
サッチャー氏は、「新自由主義」を進めてきた方です。新自由主義とは「小さな政府・市場経済重点・自己責任」つまり、政府の関わりを小さくして、行政における民営化と規制緩和を推進し、経済分野にも全て市場メカニズムを導入、社会保障を縮小し自己責任という個人負担に移行する経済思想です。
1990年代から始まった、サッチャー、レーガン、中曽根等の政策で、日本では省庁再編、小選挙区の導入、消費税導入、郵政民営化、非正規職員の拡大、公共事業費削減、TPPやRCEP等の自由貿易協定等々、そこから何が始まったのか、まさしく失われた30年で、格差だけが拡大しました。
一方、安倍政権は、政治と金の拡大、忖度政治、アベノミクスの失敗、嘘まみれの国会答弁、国家主義の強制、まれに見る米国追随、軍備増強、安保法制改正への着手等々。
この二人が高市氏の理想とする政治家です。
果たして、高市氏は、この考えで国政を行うのでしょうか。
キッチリ注視していかなければなりません。