防衛費増より地位協定(ブログ3967)
- 2025年07月08日
参院選では、どの党も「日米同盟」を外交・安全保障の基軸に位置づけています。
一方、トランプ氏はNATO同盟国にGDP5%の増額を要求、加盟国は兵器購入で3.5%、関連インフラ整備に1.5%とし、35年までに5%とすることを合意しました。
トランプ氏の次のターゲットはアジアに向けられます。つまり、韓国と日本という米国の同盟国に対し、NATOは合意したのだから韓国や日本も同意できるはずだと、要求を強めてきます。
日本はこれまでGDP1%枠を、22年に岸田氏が当時のNATO並の2%とし、27年度までに2%分にあたる約11兆円に倍増させる計画を決めました。そして、計画3年目の25年度の防衛予算はGDP1.8%の約9兆9千億円に達しましたが、財源の一部に充てる所得税の増税などの実施時期は未だに決まっておらず、さらに、今の社会情勢は、逆に減税を求めていますから、財源のあての無いまま防衛費増額のツケを、将来世代に先送りするしか方法が見当たらない状況です。
これを5%にするなど、どのような財政の展望を持って約束できるのでしょうか。
25年度の名目GDP見通しは約629兆円で、これを5%に当てはめると約31兆円余りにまで膨らみ、これを単純計算すると国民一人当たり年間約20万円の負担増となります。夫婦で40万円、4人家族では80万円です。こんな額を国民が納得するはずがありません。
石破氏は、党首会談で、防衛費は「日本が決めるべきで、外国から言われて『わかりました』という話しではない」と強調しましたが、これまで自ら決めてきたのではなく、米国に要求されたままにNATO並の2%にしてきた経緯がありますから、本当に石破氏の言葉を受け止めて良いのか疑問です。
その前に、国内の米軍に対して他国並みに日本の主権が認められるよう「地位協定」の改定を求める事が必須ではないでしょうか。それも行わないで5%に増額とは、「検討するにも値しない」と米国に突きつけることが国民の要求です。