選挙で反DEI?(ブログ3977)
- 2025年07月18日
参政党が主張している「排外主義」に、残念ながら引っ張られていく他の党。
参政党代表である神谷宗幣氏のデマ演説は止まることなく続いています。
この度も「宮城県の上下水道事業を宮城県が民営化して外資に売った」と仙台市で演説し、県から強い抗議を受けました。
宮城県は「料金収入の減少による厳しい経営状況を背景に、施設所有権や事業の最終責任を県が持ったまま民間に運営と管理を委託したが、官民連携事業であり、民営化というのは事実ではない。また、外資に売ると言う批判も当たらない。国内10社が共同出資してつくった『株式会社みずむすびマネジメントみやぎ』のうち、最大株主は国内企業であり、唯一の外資系企業も、日本法人である」と抗議し、謝罪と訂正を求めました。
これに対し神谷氏は、「よく調べて対処する」と答えましたが、演説する段階まで、宮城県の上下水道についての事情がまったく分からないまま、フェイクな内容を伝えて仙台市民を欺していたと言うことです。
ことさらさように、嘘とデマを息をするように吐き出す神谷代表、残念ながらこの方は現職の国会議員なのです。そして最悪なのは外国及び外国人への差別発言です。外国人が福祉で優遇されているとか、外国人が日本人の職場を奪っているとか、全く根拠のない言葉で笛を吹いています。まさしく「悪魔が来たりて笛を吹く」ということなのでしょうか。
その笛に踊らされている多くの国民がいることも事実です。私にすれば、カルトに洗脳されてしまったのではないか、冷静に自分で調べて真贋を判断して欲しいと思います。
日本ペンクラブは、この様な状況に対して緊急声明を発しました。(全文を掲載します。)
【「選挙活動に名を借りたデマに満ちた外国人への攻撃は、私たちの社会を壊します」
私たちは、このまま社会が壊れていくのを見過ごすことはできません。
参議院選挙を通じ、与野党問わず、一部の政党が外国人の排斥(はいせき)を競い合う状況が生まれています。しかも、刺々(とげとげ)しい言葉で外国人を犯罪者扱いし、社会の邪魔者のように扱うことが、さも、日本社会を良くするかのように振る舞っています。
「違法外国人ゼロ」、「日本人ファースト」、「管理型外国人政策」など、表現の仕方は違えど、外国人を問題視するような政策が掲げられ、「外国人犯罪が増えている」、「外国人が生活保護や国民健康保険を乱用している」、「外国人留学生が優遇されている」といった、事実とは異なる、根拠のないデマが叫ばれています。これらは言葉の暴力であり、差別を煽(あお)る行為です。こうしたデマと差別扇動が、実際に関東大震災時の朝鮮人虐殺に繋がった歴史を私たちは決して忘れることができません。
私たちはこれまで、過去の反省に立って多文化共生社会をめざし、すでに多くの自治体ではそのための条例も施行されています。そうして少しずつでも、成熟し前進してきた民主主義社会が、一部政治家によるいっときの歓心を買うための「デマ」や「差別的発言」によって、後退し崩壊していくことを、私たちは決して許しません。
民主主義社会を守るために、有権者がいま一度立ち止まり、自身の一票を大切に行使することを願います。
2025年7月15日 一般社団法人日本ペンクラブ 会長 桐野夏生】
日本ペンクラブだけではなく、多くの団体や著名人、学者や専門家も同様の行動や論評をを行っています。
私たちは私たちの力で民主主義を守っていかなければなりませんし、多様性や公平性、誰でも受け入れる包摂性(DEI)が成熟する社会を求め無ければならないと思います。