道議選と定数(ブログ4050)
- 2025年09月29日
次回の道議選の定数については、各会派の代表から構成される「議員定数協議会(定数協)」では、いつも改選の半年前までに結論を出すこととして、定数協を常設して設置していますが、必ず問題になるのは、「1票の格差」です。
憲法では「法の下の平等」が基本です。従って、1票の格差については国政選挙ごとに問題視されており、参議院では格差が3倍以内にするよう是正することを裁判所から指摘されています。
北海道の場合も、人口を基本に議員数を決めており、その基本は、5年に一度の「国勢調査(国調)」における各選挙区の人口で判断することになります。
例えば、北海道の人口が550万人と仮定した場合、現行の議員定数100人で割り返すと人口55,000人に議員1人となります。この場合、市及び振興局単位の定数は、55,000人を基数とし、その半数である27,500人を割り込むと、隣の選挙区と合区する事になります。ただし、その場合1期4年間だけは「なお従前規定」を適用して合区せずに議席を残しますが、4年間が過ぎると合区ということになります。
定数協は北海道の特殊性である都市部と地方の人口格差を考慮し、「人口比を基本としながらも本道の特性も踏まえ、1票の格差等とのバランスも考慮しながら地域の代表を確保する観点から総合的に検討する」ことを前提に協議を進めています。その手法として、人口比だけでは札幌1極集中で札幌の議員だけが多くなることを避けつつ、一方では人口の少ない地方こそ、様々な問題を抱えていることから、極力地方の議員を確保することで努力してきましたし、定数協で総務省にも足を運び北海道の特殊性を訴えていますし、また、有識者からの助言を求めてまいりましたが、いずれも、「『法の下の平等』を主張されれば裁判で負けることは明らか」という内容でした。
それでも先人達の知恵で、「参院での1条の格差を考慮しつつ、札幌の定数を増やさず、その分の議席を地方に振り向ける」ということを行ってきていますが、それでも、人口がが減少した選挙区の強制合区を避けることが出来ません。
次回2027年の道議会選挙は、26年の秋までに選挙区の合区と議席減の協議を行わなければ、憲法違反と言うことになってしまいます。従って、同一振興局内での合区は避けられないものとなっています。
今、その俎上に上がっているのが、根室管内と根室市の合区です。名寄市と上川管内の合区、稚内市と宗谷管内の合区は今年の国調の結果を参考にしますが、確定値を待っていたら、間に合わないこともある事から暫定値で協議を進める場合もあります。
地方の声を道政に生かすために議席の減は極力避けたいのですが、これまで既に強制合区をした地域との整合性や違憲を主張された場合に強い主張が出来るかと言えば、かなり難しいでしょう。これは北海道だけでは無く東北や四国、九州、中国地方でも起きている現象です。また、多くの道民が話されているように議員定数を減にしたとすれば、議員定数の基数が上がり、合区になる選挙区が増えることになって、余計に地方の声が届かなくなります。これからは、定数協も難しい議論に入っていくことになります。