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泣きの交渉では・・・

  • 2019年09月11日

 「・・・ウラジミール、君と僕は同じ未来を見ている。行きましょう。・・・日ロの新しい協力関係は、我々二人の努力によって着実にその姿を見せつつあります。そしてその先に平和条約締結という歴史的使命がある。未来を生きる人々をこれ以上もう待たせてはならない。ゴールまで、ウラジミール、二人の力で駆けて、駆けて駆け抜けようではありませんか。・・・平和条約を結び、両国国民の持つ無限の可能性を一気に解き放ちましょう。

 そのほとんど刹那(瞬間)、日本とロシアの連結は、地域を替える。世界を大きく変え始めるでしょう。・・・」5日にロシア・ウラジオストクで開催された“東方経済フォーラム全体会議”での安倍晋三氏の演説です。

 この演説で、安倍晋三氏はプーチン大統領に何を訴えたかったのでしょうか。

 そして、プーチン大統領の心を打つ何かがあったのでしょうか。

 今回の交渉では“平和条約締結交渉に関しては未来志向で作業を進める方針を確認”しただけで、安倍氏就任時以前と何も変わっておりません。

 変わったのは、ロシア側が「北方領土は第二次世界大戦の結果、正式にロシアの領土となった事をについて、日本側が認める事が交渉の前提」という後退の意思表示を強く、さらに独自のインフラ整備を力強く推し進めていること、ロシア国民の70%以上が返還に反対していること。何より日本には安全保障に関する主権がない国と烙印を押されたこと。

 一方、日本側は、4島返還からいつの間にか2島返還へと要求を下げてしまったこと、「固有の領土」や「4党返還」という言葉を封印してしまったこと、総額3,000億円の経済支援で共同経済活動を行うと約束してしまったこと、などです。

 何と、この7年あまりの安倍政権で27回も首脳会談をしていながら、問題が行き詰まったばかりでは無く、後退してしまったではないですか。

 先程の東方経済フォーラムの安倍晋三氏の言葉は、「泣きを入れている」に等しく、恥ずかしい限りです。

 外務省は、この間、何をやって来たのか。

 戦略無き交渉の犠牲は、目の前の海で漁が出来ない隣接地域の方々、父祖が眠る故郷に自由に行き来できない元島民です。

 政府は責任を持って解決の糸口をたぐり寄せなければなりません。


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