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東電の電力逼迫

  • 2022年06月29日

 北海道電力ネットワークが、27日に道内で29日の電力需給が逼迫する可能性が有るとして、「需給逼迫準備情報」を発出しました。

 道新によれば、前々日の段階で電力の供給余力を示す予備率が5%を下回ると予想されるため、節電に向けた準備を進めるよう周知するとのこと。

 これは、道内で消費される電力が逼迫するのでは無く、東電エリア内(関東)で猛暑による冷房などの需要増が予想されることから、北海道の電力を北本連携で東電に融通(送電)することになり、したがって道民が節電の準備をする様にということになります。

 北電は今夏の電力予備率は30%を確保出来ると発表していましたから、よもや、他電力会社の電力逼迫で道民が節電しなければならなくなるとは考えてもいませんでした。

 電力広域的運営推進機関(広域機関)が判断し、北電に指示したものですが、確かに、どこかの電力事業者地域内で電力不足が生じた場合には、残りの電力事業者が融通して生活や産業を確保することは十分に理解でき、そのために広域機関が調整を行うために存在することも承知しています。

 しかし、この間、東電は原発の再稼働にばかりにシフトしてきましたし、政府は電力最大消費地で有る関東地方での再生可能エネルギー推進には積極的ではありませんでした。 すなわち、電力逼迫に何の手立ても講じてこなかったことになります。

 異常気象によって猛暑に襲われるのは毎年のことで、ここ2年間はコロナウィルス感染症で外出が抑制され、消費も減退していましたから、当然のように消費電力は逼迫することが無かったものと思いますが、コロナの新規感染者の減少により、コロナとの共生を選択して経済活動を活発化させる政策判断を行えば、これも当然としてコロナ前と同じ現象が表出する事になります。それには夏の電力不足も含まれることは当たり前の真ん中。

 北海道胆振東部地震の際に、同じく北本連携線を通じて本州の電力事業者から電力を融通して貰ったことを忘れてはいませんから今回の事はお互い様と思いますが、しかし、そのことによって道内の予備率が逼迫し、これまで以上の節電を要請され、道民生活や産業に影響を来すのでは、本末転倒ではないでしょうか。

 EUでは、先週の水曜日に新しい計画を発表して2030年までの再生可能エネルギーの導入目標を全発電量の65%から新に69%に引き上げる事を決定し、これが世界の潮流だと強調しました。

 一方、日本の電力構成は、2030年に再生可能エネルギー36~38%(2015年計画策定時22~24%)、原発20~22%(同20~22%)、化石エネルギー41%(同56%)、となっており、EUと比較しても再生可能エネルギーへのシフトはまだまだで、化石エネルギーの減少率を再生可能エネルギーに上乗せしただけであり、原発の構成比率は不動のものとなっています。

 さて、このままでは、今夏の関東地方の電力不足は北海道や中部・北陸などが犠牲にならなければなりませんが、来年以降も同じ事が繰り返されるので有れば、政府のエネルギー政策は無能で有るということになります。


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