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政治家の覚悟

  • 2020年10月23日

 新首相がやってくれました。

 自民党が野党時代の2012年3月に刊行した菅義偉氏の著書「政治家の覚悟」。

 私は読みませんでしたが、いいことが書いてあったのですね。

 しかし、この著書をこのたび新たに新書版にして出版しましたが、都合の悪いカ所があったようで、第3章の「政治主導をはき違えた民主党政権」、第4章の「東日本大震災で露呈した政府の機能不全」に記載されていた34ページ分をあえて削除して出版しました。

 道新によりますと削除した部分として

・東日本大震災:会議の大半で議事録が残されていませんでした。・・・大災害に対して政府がどう考え、いかに対応したかを検証し、教訓を得るために政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為であり・・国家を運営している責任感の無さが如実に表れています。

・事業仕分け:仕分け人によって、政府の最高意思決定機関である閣議の決定さえ覆す。民主党はこの矛盾を覆い隠し、国民受けを優先しました。

・専業主婦の年金切り替え漏れ問題:厚労大臣こそ真っ先に責任を取るべきでしたが、結局、民主党は誰も責任を負わず、官僚に全ての責任を押しつけました。

 と掲載されていました。

 墓穴を掘るとはこのことですね。

 あえて今になって8年前に出版した著書を、なぜ再発行しなければならなかったのでしょうか。

 2012年3月には、政治家の覚悟としてこのように考えていた方が、同じ年の12月に第2次安倍政権の官房長官に就任してからは、その手元で議事録の虚偽・改竄、削除、隠蔽、黒塗り、破棄を繰り返してきました。

 さらに、政府の最高意思決定機関?である閣議が、「安倍政権はポツダム宣言を当然読んでいる」、「島尻沖縄北方大臣が歯舞の読み方を知らないという事実は無い」、「森友学園問題を巡り、財務省・国交相・文科相に対する政治家からの不当な働きかけは一切なかった」、「安倍昭恵氏は公人では無い」など、政府として重い意思決定機関の閣議が非常にカジュアルになってしまいました。これも官房長官の事前根回しは当然あったでしょう。

 併せて、森友・加計学園問題では、安倍氏の妻やお友達のために官僚に全ての責任を押しつけ、素直に従った官僚には美味しいポストを与え、真実を語ろうとした官僚を自殺にまで追い込みました。

 警察権力を利用し、異を唱える者はスキャンダルをねつ造しても排除する事をいとわない、検察庁法を改正して検察権力を意のままに操り、森友・加計、桜、河井克行・安里選挙違反事件だけでは無く、下村博文、甘利明の収賄事件もうやむやにするように画策する、これが今の菅義偉氏のたった1ヶ月前の素顔です。

 8年前の著作の内容は全くのきれい事で、正義の味方の衣を着けていましたが、実は衣の下は正義のかけらも無くこれまでの官房長官の時の陰湿さそのものであるということ、そして、首相になってもその非正義な体質は変わらず、今度は日本学術会議をターゲットにしました。

 新刊書の帯にある<国民の「当たり前」を私が実現する:官僚を動かせ>は、まさしくブラックジョークでしかありません。


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