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戦争の心的痛み

  • 2014年05月28日

 アベチャンが集団的自衛権の行使に血眼になり、具体の例も例示して何が何でもと意気込んでいます。

 集団的自衛権の行使で海外での戦争に荷担するとしたら、これは、新たな緊張を増幅させることになることは自明です。

 米国の若者は、これまで、国の方針に基づき愛国心を持って軍に志願し、アフガニスタンやイラクに派兵され、そこで実体験として戦争の生々しさを体で感じ、約7,000人が戦死しましたし、帰国後も帰還兵の自殺は、優に戦死者の7,000人を超えていると言われています。

 その原因の大半はPTSD(心的外傷後ストレス症候群)で、危うく死ぬまたは重傷を負うような出来事の後に起きる心に加えられた衝撃的なことが原因となってストレス障害が表れるもので、これまでにPTSD障害が発生した患者の原因の多くはベトナム戦争後に多発した戦闘ストレス反応で、友人達の手足が毎日のように吹き飛ぶ、捕虜となって孤立無援状態に置かれる、いつ殺されるか判らないまま緊張状態が永遠に続くなどの中に身を置くことから、戦場にあってもヒステリー患者と同じ行動を取り始め大声で叫んだり、金縛りで動けなくなったり、金切り声ですすり泣く他、感情が麻痺して無反応になるなどのことが起きています。

 帰国後も、精神的不安定による不安、不眠などの過覚醒症状や、体験に関わる追体験(フラッシュバック)などの他、戦場での記憶の回避や忘却しようとする作用、幸福感の喪失、感情麻痺、物事に対する興味・関心の減退、建設的な未来像の喪失、身体機能や運動障害、精神の一部が麻痺したままでの精神統合性の問題からの頭痛、不眠、悪夢などが表れ、自殺までに至ることもあるそうです。

 戦場に派兵された米国の若者が寄稿した雑誌に、生々しい体験が載っています。

 

 

★戦争は二つの感覚に行き着く。それは、殺し殺されること。軍事が生み出すのは平和では無く、さらなる軍事そのものである。(イラク従軍32歳)

 

★戦争を実際に経験した者たちにとって、どれだけ切なく忘れたいと願っても、心から消しさる事は出来ない。
 黒焦げになった死体、死体を漁る犬、街中にただよう腐臭、砂の上で血を垂れ流している子ども達、その日のうちに死ぬかもしれないという気持ちに襲われた精神的錯乱、これは全て、家に帰ってもついて回り、離れず消し去りたいと思って酒を大量に飲み無茶な行動を行っても無駄で、誰かこんな自分を殺してくれないかと毎日思っている。(アフガニスタン従軍28歳)

 

★マサチューセッツ州の小さな街に生まれ、たいがいの米国少年と同じく、僕の国の兵士は英雄的であって戦争というものが冒険物語であるかのように描いた映画を見て育った。
 そして10年前、何千人という市民を殺した作戦に参加した。
 現実に起こる戦争は、市民の暮らす街であり、住宅地で人々が住む家の中でさえ起きるのだ。合衆国の兵器は市民と兵士の区別は出来ない。
 この世に正義の味方と悪者の区別は存在しない。自分たち一人一人に悪も善もあり、僕らはそこに暮らしている普通の人々を誰彼かまわず戦争で殺してしまった。誰かの父親であり、誰かの夫であり、誰かの兄弟であり、そして誰かの友人である人々を。
 イラクのファルージャでの経験は僕の人生を永久に変えてしまった。
 僕の犯してしまった経験から多くの若者は学んで欲しい。そうすれば戦争で人を殺したりあるいは自分が死ぬようなことも無くなるだろうから。(イラク西部ファルージャ従軍、29歳)

 

 

これは、戦争をしている国の若者から、戦争をしようとしている国の若者へのメッセージです。

戦争に行くのは、国会で口角泡を飛ばしながら議論している方達では無く、若い方々なのです。


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