背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

原発推進の愚挙(ブログ3238)

  • 2023年06月04日

 改めて、今回の通常国会における政府の横暴ぶりに、ますますこの国の行く末を案じてしまいます。

 政府は原子力基本法・電気事業法・原子炉等規制法・再処理法・再エネ特措法の5本の法律を束ねて「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」として国会に提出、1本1本の法律を審議すること無く「束ね法案」として一括で審議し、採決をするという暴挙を何の躊躇も無く行いました。

 このようなやり方は、安保法制の時のように反対されるで有ろう数本の法案に、一部だけ野党が賛成できる法案を紛れ込ませ、一括審議・採決を行い、反対しづらい状況を作るという卑怯なやり方です。

 今回も、

原子力基本法  = 電力の安定供給や脱炭素の名の下に原発の再稼働やリプレース(建て

         変え)を推進する

 

電 気 事 業 法 = 原発の運転上限60年の現行法を改正し、再稼働審査で休止していた

         期間を除いて、この分を上乗せし60年超の運転を可能にする。

原子炉等規制法 = 規制委員会は運転30年ごから最長10年ごとに原子炉等の劣化を調

         査・確認

再 処 理 法   = 使用済燃料再処理機構が全国の廃炉の統括事務を行う

再 エ ネ 特 措 法=送電網整備の支援強化

 

 という5本を束ねて提案し、それぞれの矛盾や疑問に明確に答えること無く審議を打ち切り、衆院・参院を数の力で押し切りました。

 野党は日本維新の会と国民民主党が賛成し、立憲民主党と共産党が反対。

 フクシマ原発事故は、政府や電力会社が作り上げた「原発ムラ」という強固な利権構造と、原発は絶対安心な未来のエネルギーという虚構の「原発神話」に、自然が襲いかかった未曾有の事故であり、そのことから、国民は原発の稼働に敏感になり、結果として脱原発を続けてきましたが、規制委が新規制基準という概念を打ちだし、これに合致した事を経産省に報告すれば、経産省が地元の了解を得て再稼働をするという流れができあがり、これまでも、10機が再稼働し、政府はこの夏から残る7機を脱炭素とエネルギー不足による電気代の高騰を「錦の御旗」に再稼働する考えです。

 あの事故からわずか12年、新規制基準さえ安全とは言い切れないと規制委が認めているにもかかわらず、使用済み核燃料の再処理も破綻したにもかかわらず、そして、核ごみ最終処分場さえ目処がつかないままに、政府・与党、そして一部の野党は事故とその反省を忘れてしまいました。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.