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出力制御(ブログ4034)

  • 2025年09月13日

 北海道は再生可能エネルギー(再エネ)の宝庫で、賦存エネルギーが国内需要に大きく貢献する事は広く知られていますが、この再エネを十分に利用せずに北電が求めている泊原発1・2・3号炉を再稼働した場合、太陽光・風力の年間発電量の最大30%を活用せずに「出力制限」することになるという試算を北電ネットワーク(送電網を担う北電のグループ会社)が発表しました。

 北電ネットは、2034年までに太陽光発電能力が今より35%増の315万kw、風力発電が93%多い262万kwになるとの想定です。原発は出力制御が出来ない発電ですから、今後の電力需要を考慮した場合でも、その調整弁を再エネで行うということです。

 少しおかしいですね。

 電力が余るなら、なぜ、原発を稼働させなければならないのでしょう。

 泊原発は1号炉57.9万kw、2号炉57.9万kw、3号炉91.2万kwで合計207万kwです。先ほどの北電ネットの試算では、太陽光発電・風力発電で577万kwです。圧倒的に再エネの発電量が多いことになります。

 太陽光は日が照っていなければ発電しませんが、風力は24時間フル活動です。日中の余剰の発電量は、大型の蓄電池にため込んで、夜間の電力需要に対応すれば良いことです。

 今年の夏は異常なほどの猛暑となり、当然、北海道も冷房が必要でした。そして今年8月の電気需要は最大約448万kw、今後ラピダスやデーターデンターの進出で電気需要が増えるとしても、十分に確保できることになります。

 さらに、余剰分の電力の使い道として、水素製造に利用して貯留することが出来ますし、将来的にEV車の電池や水素車の燃料として利用する事も可能です。

 出力の制御は既に日照時間の長い九州などで行われていますが、原発をフル稼働させて再エネを犠牲にするというのは、本末転倒ではないでしょうか。

 そんなことでは、再エネ事業者は、新規参入どころか事業を撤退しなければならなくなります。「再エネ滅びて原発有り」など、誰が考えても「あり得へん」では無いでしょうか。これから、国策として行われる海洋洋上風力発電の足を引っ張る事にもなりかねません。北海道を九州の二の舞にしてはいけません。


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