再稼働は甘くない(ブログ3957)
- 2025年06月28日
北電は、泊原発3号炉の稼働を27年12月を目途にしています。
今は、規制委の審査が終了し、パブリックコメント(科学的・技術的意見の公募)を経て、意見の中に確認しなければならない案件があった場合、北電の見解を求めます(多分これも規制委による“泊スペシャル”があるかも)。
それらが、整えば規制委は経産省に進達し、政府と北電が道民に対して説明会を開催して十分な説明を行います(これは知事が強く要望しています)。
説明会を経て、経産相が泊原発立地自治体に意見を求めますが、道内各地での説明会にはそれなりの時間も要する事になりますし、その説明に道民が納得するかは予断を許しません。
一方、工事中の防潮堤ですが、札幌地裁は、「新しい防潮堤が完成し、津波が防潮堤によって防がれ、原発へ影響が及ばないと認められない限り運転は差し止める。」と判決していますから、それが確認されなければ、運転差し止めは解除しないでしょう。
これら一連の流れをクリアーするためにはそれなりの時間が必要で、それらを見込んで北電は27年の12月の再稼働予定なのでしょう。
しかし、これは、全て順調に事が運んだ場合であって、何か一つでもつまずけば、更に再稼働は延長になります。
北電は、これまで行なわれた住民説明会に「サクラ(北電の社員)」を動員して、賛成の意見を述べさせたことは周知の事実ですから、信用が回復したとは言い難いと思います。
また、原発建屋については、テロ対策に備えた「特定重大事故等対処施設(特重)」も未設置となっており、特重工事計画が認可された時点から5年間は設置が猶予されますが、期限内に完成しなければ運転停止となります。
原発建屋内部で事故が生じた場合は、「止める、冷やす、閉じ込める」の三原則を基本としますが、テロなどの場合は、建屋外部からの攻撃となりますから三原則は意味を成しません。また、福島第1原発のように内部に水素が充満して起こる水素爆発が建屋を吹き飛ばし、“閉じ込める”は意味を成さずに放射能が外部に拡散する事も想定されます。
放射能プルーム(放射性雲)となれば、数百km先まで放射能が届きます。
さらに、泊原発の炉は岩盤の上に建設されていますが、付帯施設は埋め立て地に建設されており、これらに建設されているパイプや冷却関連等の重要施設に不都合が生じれば、福島原発と同じ事が起きる可能性があります。
これまでも、北電は施設に関する不都合な事故を過小に評価したり、数字を改竄する事を繰り返してきました。
新に新港を建設して核燃料を搬入することにしていますが、この運搬も「特重」に値するほどの取り扱いをしなければならないと思います。
これまでも話してきたように、北電は原発に固執するのではなく、再生可能エネルギーを主体に発電と送電、売電、さらに蓄電による水素製造に特化した方が会社のためにも良いのではないでしょうか。無理に無理を重なれば、取り返しの付かない結果を招くことになると思います。