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全ての根拠を失う

  • 2020年11月07日

 木曜日の参議院予算委員会は、最初から立憲・蓮舫氏の鋭い質問に的確に答えることができず、6名を任命しない理由としていた「女性会員の割合、多様な年代、旧7帝大に偏らないバランスの取れた国公立・私立大学からの登用」全てについてその矛盾をつかれ、結局は「人事に関する個別の問題については答弁を控える」という決まり文句で逃げようとしましたが、底の浅さが露呈。

 金曜日は、自民党の議員の質問に対し、気を抜いてしまったのか「今回は事前調整が無かったために任命に至らなかった」と口が滑ってしまい、「事前調整」があったことを自らゲロしてしまいました。

 任命の前の段階である日本学術会議(会議)側の推薦の時点から政治的な介入をしていたことが明らかになり、これまでに説明してきた全ての理由をご本人が破綻に導いてしまったのは、大事な試合で決勝のオウンゴールをしたようなものです。

 ましてや、菅氏が話した事前調整は17年度を指すとのことですが、当時の大西元会長は「首相の言う調整が『推薦名簿』の変更を意味するのであれば、調整した事実は無い。」と言明。と言うことは、会議側とは推薦会員について事前調整した事実は無く、政府側が恣意的に会議側の推薦会員のうち6人を任命しなかったと言うことになります。

 首相が懸念していたことを杉田官房副長官に伝え、杉田氏が安全保障政策を巡る政府方針への反対運動を行った事態を重要視して6人を名簿から削除して菅氏に提出、菅氏はその報告を受けて任命を見送ったと言うことになります。

 新聞赤旗によりますと、任命を受けた99人の中にも政府の法案を批判した学者はいますが、1個人としての限定的な意思表明に止まっていたことから任命したと複数の政府関係者が明らかにしたとのことです。

 また、政府は現在、2018年11月策定とされる「内閣総理大臣に・・・(日本学術会議による)推薦の通りに任命すべき義務があるとまでは言えない」とする文書を根拠に任命拒否を正当化していますが、これも、「法解釈の変更ではなく、一貫した政府の立場だ」と主張します。

 しかし、会議の諸規則には任命拒否に対応する文章が無く、欠員の補充についての規則には「会員が定年、死亡、辞職又は免職により退任する場合」となっており「など」がついていないので任命拒否に適用されるとは解釈出来ません。会議側が任命拒否を想定していないことは明らかであり、法が任命拒否を想定していない以上、6人が任命されず、法が定める210人を満たしていない違法状態をどう解決するのかは、偏に法治国家・日本の首相である菅氏の判断にかかっています。


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