働かせたい改革(ブログ4074)
- 2025年10月23日
高市氏が、上野賢一郎厚労相に時間外勤務(残業)の上限規制の緩和を検討するよう指示を出したことが明らかになりました。
厚労相への指示書には「心身の健康維持と従業員の選択を前提とした労剛時間規制の緩和を検討」と盛り込んだようです。
高市氏は、自民党総裁選に当選したときに「働いて、働いて、働いて、働いて、働きます」とその意気込みを示し、私自身「ワークライフバランスを捨てる」とまで言い切りました。これを聞いていた多くの方は「馬車馬のように働けというのか」とか、過去の栄養ドリンク剤の宣伝のように「24時間働けますか」と総理が問うていると思いました。まさしく、昭和のバブル時代を彷彿とさせる言葉です。
時は流れ令和の時代に入り、どの業種も働き方改革を推し進めています。
2019年4月から「働き方改革関連法」が施行となり、大企業は19年4月から、中小企業は20年4月から残業時間の上限は原則として月45時間、年360時間、一部業種や繁忙期などの特殊事情があっても月100時間未満、複数月平均で80時間以内に制限をされ、併せて、有給休暇取得の義務化や同一労働同一賃金も盛り込まれました。
ただ、建設業や医療関係、運転ドライバーなどは24年4月から実施することになり5年間の猶予を持たせることになりました。
しかし、「新型コロナ感染症」が20年1月から流行し始め、23年4月まで続いたことから、この間、医療従事者は家に帰ることもままならず、残業の上限などは緊急事態宣言の中で打ち消され、一方、人流は外出が制限されたことから大幅に減少して売り上げが上がらず、、物流も感染を避ける風潮が蔓延してドライバーの離職が進み、社会的業務であるエッセンシャルワーカーから離職する方々も増え、さらに、建設業の現場作業に就く若い方が少なくなる中でも建設ラッシュが続いており、各業界では人手不足を補う為に福利厚生(労働時間削減や休日増)に力を入れてマンパワーを確保に苦労しています。
そんな中、1国の宰相である高市氏が時間外労働の上限規制の緩和を指示するとは、時代に逆行する蛮行(人間的でない、ひどい行い)と言うほか有りません。
うがった見方をすると、マンパワーが少なくなってしまい外国人労働者に頼らざるを得なくなると、今後も外国人労働者が増えてくる。そのことは保守本流の宰相としては我慢ならないということなのか。
7月の参院選では、自民・公明・参政が「働きたい改革」を公約に掲げました。「働きたい方がもっと働けるように」と、ポジティブな言い回しをして兼業や副業を推し進めようとしていますが、これは「働きたい改革」ではなく、経営者の「働かせたい改革」であると過労死の遺族が話しています。「過労死(KAROSHI)」は、すでに世界語になっています。先進国として恥ずべき言葉ではないでしょうか。
高市氏が具体的に厚労相に指示を出した時間外勤務の上限緩和は、働く労働者からもその家族からも健康や余暇を奪うことになり、より不幸へ陥れる事になります。
これ一つとっても、「国民のための政治」とはかけ離れたものであり、まともな政策を打ち出せない宰相だと言うことが明らかになりました。





