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保護主義に対峙(ブログ3991)

  • 2025年08月01日

 トランプが目論む関税で、米国と日本が相互関税として15%で合意した後に、EUのフォンデアライエン委員長も米国と合意、その内容は、相互関税は日本と同じ15%、更に加えてLNG(液化天然ガス)や石油など7,500億ドル(約110兆円)相当のエネルギー製品を購入、それだけに止まらず数千億ドル相当の軍事装備品(兵器)の購入、6,000億ドル相当の対米投資と言う事です。エネルギーはロシア産の化石燃料からの切り替えを意図したものですが、軍事装備品は、ウクライナ戦争で、米国は直接兵器による支援は行わず、EUに兵器を購入させてウクライナに支援するという、ロシアと地勢的に対峙するUEの足下を見ての汚いやり方ですし、一方で欧州駐留米軍の削減にも言及しましたが、このようなやり方は、米国とEUとの間の信頼関係に深い不信を招きかねないものだと思います。

 そして、8月1日という制限時間いっぱいに韓国も米国と合意をしました。

 その内容は、日本、EUと同様に相互関税15%、その他に3,500億ドルの対米投資、この投資に含まれる米国造船業の再建支援、その他にもトランプは在韓米軍駐留経費の増額や防衛装備品の購入なども迫ったようです。

 トランプは、この4月にメディアのインタビューに対し「私は米国と世界を統治している」と発言しました。傲慢な言葉です。世界は米国をそしてトランプを統治者と認めてはおりませんが、米国は同盟国とされている日本・EU・韓国に対し、絞るだけ絞るという敵対的な経済圧力を行っています。米国が考えている同盟国とは相互互恵では無く、属国と言う事なのだと思います。

 国際貿易は、これまで自由貿易体制を構築し相互関係で経済の発展を目指してきました。

 第二次世界大戦前、米国で起きた株価暴落を機に保護主義(自国ファースト)が世界中に広がり自由貿易が阻害されました。その事で各国の生産力が減退し不況に拍車がかかった結果、一部でファシストが台頭し世界大戦へとなだれ込みました(今の状況と酷似)。

 その反省から、戦後は関税貿易一般協定(ガット)から世界貿易機関(WTO)へと自由貿易を発展させてきました。

 米国はWTOを否定し、強大な軍事力を背景に自国ファーストで各国に関税を課しています。先ほども述べましたが、世界は米国そしてトランプに統治されているわけではないのです。過去のブログでも記載しましたが、日本は米国以外の各国との共同で自由貿易を今後も発展させる責任があります。英国も参加するTPP(環太平洋貿易協定)や日・EUEPA(経済協力協定)、などを核として、米国に包囲網を作り、米国以外の各国との自由貿易を推し進め、保護主義の再燃を食い止める中心に日本はあるべきだと思います。


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