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人勧マイナス勧告

  • 2021年08月12日

 人事院が10日、2021年度国家公務員の手当、給与についての考え方を示しました。

 その内訳は、期末・勤勉手当(民間のボーナスにあたる)を0.15ヶ月引き下げて年間4.30ヶ月とし、月額給与の改定は見送るように国会と内閣に勧告、このことにより、年間給与は平均で6万2,000円の減額となります。

 人事院勧告は、民間給与と比較して論じられますが、単純に平均値を比較するのでは無く、仕事の種類、責任の度合い、年齢、学歴、勤務地域というようなファクターを勘案し、ラスパイレス算式で全体の官民格差を算出し、その結果、民間の給与が一般職非現業職国家公務員(国公)の給与より高い場合は、民間に併せてプラス勧告をし、逆に民間が国公より低い場合は、それに併せてマイナス勧告となります。

 コロナウィルス感染症の長期化で、民間企業の期末手当が減額になっていることを反映しての勧告となったようですが、今年の勧告は単純に民間との比較だけで算出されてよいものか、私には疑問が残ります。

 一般的に見れば、1年半以上続くコロナ禍によって外出が規制され、国民消費は落ち込み、とりわけ食材に関わる民間企業や飲食に関わる中小零細企業や店舗、移動自粛による旅行関連業者や各種交通機関など、その影響は様々な産業に直結して売り上げは激減し、従業員は時短や休業による雇用調整が行われ、併せて、民間給与は減額になっています。

 その逆に公務に関わる部署では、新型コロナウィルス感染症の患者が見つかってからは、感染対策を担う保健所の職員、自治体の保健担当部署、患者を受け入れる公立・公的病院の医師・看護師・検査技師・薬剤師、そのフォローを受け持つ行政職員、患者を搬送する消防救急職員、宿泊療養施設に張り付く一般職員などは、帰宅も出来ずにホテルずまいや自家用車での寝泊まりを強いられ、民間の一般病院であっても、軽症患者の受け入れやPCR検査など休みも取らずに献身的にコロナ禍に立ち向かい、高齢者介護施設では介護職員が心身ともに過酷な中で仕事に従事していますし、教育現場でも休校が続き、子ども達の学びや学校行事の変更などの他に、子ども達の家庭での過ごし方への気配りが欠かせませんでした。

 まだまだ、多くの方が今まで経験した事の無いパンデミックの中で、誰もが我慢をしながら一日も早い収束を願って日々の活動を行っています。

 とりわけ、国公の給与を決める人勧は、国公だけでは無く地方公務員、医師職、看護職、教職員、防衛省職員、警察職員、医療法人、学校法人、独立行政法人、認可法人、公共組合、公益法人、特殊法人などの公共部門全般に勤務する職員の給与がこれに準拠することから大変な影響を及ぼします。

 これら、コロナ禍や自然災害の前線で活動してきた方々の給与をマイナス勧告するというのが、今回に人事院の勧告です。

 ちなみに、今年の最低賃金が28円上昇し、全国平均での時間給が980円/1hとなりましたが、国公の高卒初任給は時間給に換算すると897円/1hとなっています。

 公務員の時間外勤務の実態は過労死以上となり、残業代は予算の足切りでサービス残業、休暇も思うように取れず、いざとなればトカゲの尻尾とされ、うまくいって当たり前、失敗すれば激しく非難される。このままでは、若い方々は公務に就こうとはしないでしょう。

 その証拠に、若い国家公務員の離職率が毎年多くなり、都道府県職員を目指す方も少なく受験に合格しても辞退する方々が増えています。

 人事院勧告は、公務員給与が民間の給与を引っ張っていくという役目にも着目すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。


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