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ファースト=利己(ブログ3964)

  • 2025年07月05日

 参議院選挙に「日本ファースト」を党是としている政党があります。参政党です。

 この政党の政策はトランプの「アメリカン・ファースト」と通底しているのでしょうか。

 トランプは「アメリカは全てのことに1番」という意味を「MakeAmericaGreatAgain」

という言葉に託し「アメリカ合衆国を再び偉大な国にする」ことを実践しています。

 ご存じの通り、移民を排斥し、外国人の国外追放政策を進め、地球温暖化を無視し、人類は男と女しかいないと断じてLGBTQなどの性的マイノリティーを認めず、中絶を禁止し、一方的に各国に関税を課し、グリーンランドをアメリカ合衆国の一部に加えようと画策、メキシコ湾を強引にアメリカ湾と認めさせる等など、実に自分勝手な政策を行っており、イエスマン以外は閣僚にしませんし、米軍から女性を排除しました。

 参政党の「日本ファースト」とは、どういう政策なのでしょうか。

 アメリカは、まさしく「自国第一主義」となってしまいましたが、参政党も、日本の国を強調よりも自国の利益を優先する国にしようと考えているのでしょうか。

 東京新聞が、【「自国ファースト」の源流は100年前、ナチスの台頭を招いた…外国人排除の先に待つものは】と題する社説を載せていましたので、要約して再掲します。

 《2021年、入管施設でスリランカ女性が死亡した問題を巡り、「病気になったら仮釈放して貰えると考え、医師から詐病の可能性を指摘される状況に繋がった可能性を否定できない」と発言し、維新の会が当時の法務委員であった梅村みずほ参議を更迭した梅村みずほ参議は、参政党への入党記者会見で、「日本人ファーストという誰もが心に持っていた、けれども言えば差別主義者と思われてしまうんじゃないか。そんな思いで内に秘めていたものを堂々と掲げる政党が出てきたという希望ではないか。」とコメントしました。

 「梅村氏を含め、参政党の候補者は外国人を軽視し、事実に基づかず雰囲気で発言している。参議院選が排外主義者の吹聴にならないだろうか」と川崎市の福祉相談員も心配している。》と掲載しています。

 自国ファーストはナチスを招いたのは歴史上でも明らかで、国粋主義、反ユダヤ主義がその根幹にあり、ホロコーストを招きました。

 さて、日本には、「利己」という言葉と「利他」という言葉があります。仏教の言葉ですが、「利己」とは、自分自身の利益や幸福を最優先に考える態度や行動のことで、短期的には自分に利益をもたらすかも知れませんが、長期的には他人との関係を悪化させたり、社会全体に対する信頼を損なう可能性が有ります。

 一方、「利他」とは、他人の利益や幸福を優先して考える態度や行動のことで、いた的菜行動は、他人との良好な関係を築き、社会全体の調和を促進する事が期待されます。

 そして、もう一つ「自利」という言葉もあります。

 「自利」とは、自分自身の利益や幸福を追求する一方で、他人の利益や幸福も考慮する態度や行動のことで、自利的な行動は、他人と自分の利益を調和させる事を目指します。

 つまり、この行動は、相互満足でWin-Winの関係を築き、持続可能な人間関係を創ります。

 日本人には、これまでも自己犠牲という慈愛の精神が意識の中にありましたが、長い年月で、この意識が薄らいできたのかも知れません。

 しかし、社会を形成するのは、強調であり調和であるはずです。「ファースト=利己」を政策にする政党に将来があるとは思えません。


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