ヒグマを知る(ブログ4087)
- 2025年11月05日
連日、熊の出没が報じられ、秋田県では知事の要請に答えて自衛隊が出動する事になりました。つまり、北海道の羆熊、本州の月の輪熊との「軋轢」は全国レベルの問題となり、九州では関門海峡から熊を侵入させないことを真剣に考え始めました。
北海道も熊が人里に現れて、市街地を我が物顔で徘徊しています。
数年前には、「OSO18」という凶暴な熊が現れて、家畜おもに牛を数十頭も襲い、多くのハンターの皆さんの努力によってやっと駆除されました。
熊は1日に50km以上も移動する行動特性を持っていることと、経験が学習能力として生かすことができることから、十分な警戒が必要です。
熊が人に遭遇しても、人に危険を感じなければ、その次から、人は危害を与えない生き物として記憶され、逃げようとしないだけではなく、目に障れば襲ってきます。
熊の顎は強く、人間の骨などはバリバリと音を立てて噛み砕きますし、襲った獲物は柔らかいところから食い始めます。そうです、まずはお腹から、そして内臓を食べ、その後に肉の多い部位に移ります。襲われれば熊の手で、まず顔をえぐられます。
熊と遭遇したら身をかがめてお腹をかばうと言われていますが、熊の腕力はうつ伏せの人間を片手でひっくり返します。
親熊が小熊を連れて市街地を歩いていますが、ゴミをあさったり、人家に侵入した記憶は成獣になっても知識として残り、同じ事を繰り返します。
熊の寿命はおよそ30年と言われていますが、それは山深くに生息している熊です。熊も縄張り争いやメスを襲うこともありますから、年齢的に戦う事が出来なくなった高齢の熊は、他の熊と接触しないように必然的に山奥へと移動します。
従って、平均的な寿命は、長くても20年くらいと言われています。
今年は、熊の餌のどんぐりが少ない事も指摘されますが、少なくなったのは、鹿が増えすぎて、熊の餌を食べてしまうことも一つの原因とされます。
秋には、高齢者がキノコ狩りや山ブドウやコクワを採りに行って襲われたり、春にはタケノコ採りで襲われるのも、熊の餌を横取りする事に起因するのかもしれません。
いずれにしても、これまで「北海道ヒグマ管理計画」で、熊と人間の共生を進めてきましたが、今は、捕獲から駆除にもウェイトを移した取り組みが必要となってきました。





