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ナターシャ・グジー

  • 2022年04月16日

 はこだて音楽鑑賞協会のウクライナ連帯プロジェクトが主催した「ウクライナ連帯コンサート:ナターシャ・グジー~音楽の力を信じて~」に参加しました。

 会場は椅子席約800人の「函館市芸術ホール」でしたが、椅子席は満席で、開演時間ギリギリに着いた私は、二階席の後ろで立ちながらの鑑賞となりました。

 バンドゥーラという琵琶に似た63弦の楽器を抱えての弾き語り。

 チェンバロのような高音の音色と琵琶のような低音の響きを出すこの楽器を自在に操り、ナターシャ自身の透き通った透明感のあるソプラノは哀愁をたたえ、ウクライナ語で歌う祖国の民謡や自身が作詞作曲した曲、また、さだまさし氏の防人の歌や涙そうそうなどの日本の歌も、静かにそして時には感情を込めて歌ってくれました。

 合間には、チェルノービリ(チェルノブイリ)原発から3.5キロのプリピャチ市に生まれ、父が原発の仕事をしていたことから事故処理に携わり、以来体調を崩したこと、30年経った今もその故郷には帰れないこと、ナターシャ自身は被爆した子ども達の民族音楽集団「チェルボナ・カリーナ」の1員として1996年の日本公演で初来日し、日本が好きになって約22年間日本で過ごしていることなどを語ってくれました。

 歌や自身の背景で感じ取って欲しいとの思いからか、ウクライナへのロシア侵略について、言葉を発する事はありませんでしたが、聴衆はその事を深く感じ取った事だろうと思います。

 アンコールで歌ったのは、自身の祖国を思う心情を表した「我がキエフ」、そして日本の「故郷」でした。


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