背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

ドア・イン・ザ・フェース(ブログ3984)

  • 2025年07月25日

 日米の関税交渉が妥結しました。とは言っても具体の中身は見えず、表面的には25%が15%に下がったとか、ミニマムアクセス米は既存の77万トンの中での比率が増えただけ、80兆円の政府金融機関の投資・融資・債務保証等の他にロッキード社の航空機を100機購入、軍用整備品の年間1億ドルの購入などなど、これらだけでも日本には大きな影響を与えるものばかりです。

 しかも、それらの内容は水面下で進められてきたために関連する経済団体は、今後具体的にどのように対処をしたらいいのかも宙に浮いたままです。

 交渉を担ってきた赤沢経済再生担当相は、この間8度も交渉に及んびましたが、見事に手玉に取られてしまったという評価は拭えません。
交渉相手はトランプ氏、実務的にはベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア米国通称代表部の4人ないしはトランプを除いた3人が相手、1:1でも手強い相手なのに3人に取り囲まれて、「ああ言えば、こう言う」という交渉自体がすでに交渉の枠を逸脱していると思われます。

 日本側も経済三兄弟をぶつけて交渉を有利に運ぶ体制を構築し対抗すべきではなかったのか閣内には、赤沢経済再生相の他に、加藤財務相、城内経済安全保障相が揃っていますが、全ての交渉を一人に任せ、加勢をして貰えないないという状況では、相手に押されて妥結したというのが事実だと思います。ここにも石破氏の読みの甘さがあり、また、同盟国だからと言うこれも甘い考えがよぎっていたかも知れません。

 勢いのいい「なめられてたまるか」と単価を切りましたが、溶けるほど舐められ溶けてしまい当初の「自由貿易を守る」という言葉はいつの間にか消えてしまいました。

 トランプのディールの手法は分かっていることです。私たちも中国などに行くと観光地では最初に高くふっかけられても、「プライズダウン」と繰り返すと20%引き、50%引きとなり、最後に「買わない」と言えば、更に値引きをすると言う初歩の交渉術です。

 【「ドア・イン・ザ・フェース」とは行動心理学を用いた交渉テキニックとされています。最初に過大な要求を相手に突きつけて相手が断った後、譲歩したような提案押し、実は本命の交渉に当たるという手法です。

 最初に門前払いをされるのは織り込み済みで、むしろそれがミソなのです。相手は要求を断ったことに少なからず心の負担を抱え、押し返して譲歩させたと思えば満足感が得られる。こうした心理も利用して、最終的には望む成果を手にする。】

 まさに、交渉を得意とするトランプ氏の思惑通りの運びだったのではないでしょうか。

 今後は、政府が、企業や国民に対して同じ手法を用います。

 「当初、24%、それが30%・35%となってきた。しかし、15%まで引き下げたのだから、この交渉は成功だった。ベトナムは20%だった。国益は守った」と。国民に「ドア・イン・ザ・フェース」を求めます。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.