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スポーツの日に考える 

  • 2022年10月10日

 10月10日は、1964年10月10日に開催された「東京オリンピック」を記念し、66年に「体育の日」として国民の祝日としましたが、その後、2000年に祝日を移動できる(3連休を増やす)「移動祝日」が国会で成立し、「スポーツの日」に名称を変更して現在に至っています。

 振り返れば、1964年の東京五輪の時は、オリンピックはアマチュアスポーツの祭典としてプロスポーツ選手は五輪に参加が許されませんでしたし、運営主体は組織委員会が担い、施設整備に約164億円、大会運営費に約94億円、選手強化費に約23億円を計上し国家プロジェクトとして開催されました。

 当然、電通などの広告代理店が運営を仕切ることも無く、大口スポンサーを募ることも無く、米国のテレビ中継の都合に振り回されて真夏の高温多湿時に開催することなく、晴天が多く爽やかな気候となる秋10月10日から24日までの15日間で行われました。

 当たり前のように、黒い金が動くことも無く、アマチュア精神に則った大会が実施され、聖火リレーもスポンサーの地方車や大スピーカー・大音響ではなく、沿道の観客の大声援が印象的で、私も函館の市役所前に見に行ったものでした。

 開会式のファンファーレや、選手入場での古関裕而氏作曲の「オリンピック・マーチ」は今でもそのメロディーが脳裏に残り、口ずさむことが出来る感動的なものでした。

 市川崑総監督の映画も、素晴らしい記録映画として高い評価を受けています。

 翻って、2020(21年)東京オリンピックは、コロナウィルス感染症拡大時に行われたものの、選手達は私たちに多くの感動を与えてくれました。

 しかし、その招致からIOC委員への買収や首相のフクシマ隠し(アンダーコントロール)、国立競技場の設計変更やエンブレムの盗作疑惑、組織委員長の女性蔑視発言、ゼネラル・プロデューサーの途中交替や人権蔑視発言での再交替、当初予算を大幅に上回る運営費、IOCの独善的な言動、終わってみれば、広告代理店がらみの贈収賄事件、記録映画監督の暴力事件まで。

 1964年と2020年の東京五輪は、かくもかように相反する内容と評価ではないでしょうか。

 10月10日は「スポーツの日」としてだけでは無く、過去2回の東京五輪を改めて考える日になりました。

 そして、21年7月23日東京五輪開催日は、今後も祝日にはならないでしょう。


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