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コロナと自衛隊明文化

  • 2020年05月04日

 安倍晋三氏が憲法記念日の3日、憲法改正派のインターネット集会へのメッセージで、「新型コロナをめぐり、延べ1万7,000人の自衛隊員の対応に胸が打たれる」と語り、憲法9条への自衛隊明記を強調したと道新に掲載されていましたが、この度のコロナで自衛隊の隊員が行った業務は、ダイヤモンドプリンス号からの患者搬送、海外からの帰国者に対する空港での検疫支援や搬送、感染軽症者を病院から民間宿泊施設(ホテル等)へ搬送を担う他、ホテル等滞在者への食事の搬送や配膳、滞在施設の消毒、ゴミの回収などということです。

 このことについては、 関係された自衛隊員の皆様に心から感謝致します。

 一方、今回の自衛隊派遣での業務についてですが、 自衛隊法による「派遣」は公共性、緊急性、非代替性という三条件を満たす必要がありますが、今回のコロナに関する自衛隊の派遣は、自衛隊でなければできなかったことなのでしょうか。

 クルーズ船や空港、病院からの搬送は、厳重な防備を行えば民間でも行えますし、食事の搬送や配膳、施設内消毒やごみ回収などは訓練された自衛隊の仕事とは思えません。

 このことについて、防衛省は「速やかに民間に受け渡す」と話していますが、その言葉が、まさしく自衛隊の仕事ではないことを物語っています。

 安倍晋三氏が、コロナに対する自衛隊の対応に胸が打たれると話したことは、自衛隊の最高責任者が本来の自衛隊の任務を正しく理解することなく、誤った命令を下し、そのことに気づきもせずに、「だから自衛隊を憲法に明記する」と改憲派の集会にメッセージを送ったことは、総理としての資質の無さも極まれりです。

 いや、あの安倍晋三氏ですから、なんでも自分の都合の良いことに結び付けたのかも知れません。

 今回の派遣命令で、もし自衛隊員がコロナに感染し、なおかつクラスターにでもなれば、我が国の防衛に大きな支障を来すことになります。

 何より、コロナを機に自衛隊を憲法に書き込むなどとは説得力が全く無く、単に情緒的な雰囲気を無理やり作り出そうとしているにすぎません。

 こんなことしか言えないリーダーが情けない。


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