背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

防衛省と全葬連(ブログ3922)

  • 2025年05月18日

 陸上自衛隊が、米軍が関わる集団的自衛権によっての戦争に参戦することを想定し、戦死者が出た場合の備えとして、「日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)」と協定を結んでいることが明らかになりました。

 防衛省によると全葬連と陸自は2月20日に協定を締結。「各種災害」や「武力攻撃事態」、「存立危機事態」の発生時に「隊員に万が一の時があった場合の備え」るためと、事実を認めています。新聞赤旗によると、防衛省は「協定の中身について明らかに出来ない」と口を閉ざし、全葬連も「協定の有無を含めお答えすることを差し控えさせていただきます」としています。

 先般、米国のヘグセス国防長官が来日し、「西太平洋のいかなる有事に対しても日本が最前線に立つ」と話し、同席していた中谷防衛相はこれに異論を挟むことも有りませんでした。つまり、ヘグサス国防長官が言っていることを中谷防衛相は承諾しているという事になります。

 自衛隊がイラクのサマワNPOに派遣された際、「遺体袋」を持参していたことは既に知られていますが、今回の全葬連との協定は、一人二人の遺体とは訳が違うと言う事になります。少人数の場合は自衛隊の輸送機で日本への搬送が可能かも知れませんが、自衛隊内で対応出来ないほどの戦死者が出ることを想定しているということになります。

 今、NHKのドラマで、「エンジェル・フライト(国際霊柩送還士)」という番組が放送されています。海外で無くなった方を日本に送還するために、外務省との各種手続き、送還後の遺族との対応、遺体の火葬、までのサービスを行う業者を題材にした番組で、既に4回目が放送されました。

 先般の3回目は、海外でテロに遭遇し、無差別殺人で亡くなった6人を日本に搬送するというストーリーをベースにしながら、テロの起きた現地での相手国との交渉、凄絶な状況の遺体のDNA鑑定、散らばった遺体の照合、現地に来た家族への対応(遺体に逢いたい遺族と、見せることが出来ないほど損壊している死体を見せないように説得する)、遺体袋に入れた遺体を民間機で搬送、日本に着いてから、損壊している遺体を修復して棺に入れ、家族に引き渡し、葬儀終了までの一切を執り行うという、政府から委任されている業者の物語です。

 この番組を見ると、今回の防衛省と全葬連の協定が現実のものとして想定する事が出来ます。有事になれば、自衛隊は戦闘に従事することが第1の任務となる事から、バックエンドを民間の葬儀専門業者に委任するということです。

 それだけの準備をしていなければならない事が、最前線に立つということなのです。

 レグセス米国防長官が日本に押しつけているのは、米軍の代わりに自衛隊が全繊維立つ事ですから、政府はその覚悟で自衛官に向き合わなければなりません。

 一方、例えば自衛隊員が任務で死亡した時の補償金のことは何も決まってはおりません。

 軽症の場合、重傷の場合、身体の一部が損傷した場合、後遺症が残った場合、死亡した場合、それぞれの場合について具体的なものは示されておりません。

 遺族への見舞金や弔慰金も含めてです。

 また、最前線で、敵を攻撃し殺人を犯すことは有事ということで許されることなのか、憲法に大きく違反しないのか、全く国民に何も知らされないまま、静かにその対処だけが進んでいます。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.