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MICEとIR(ブログ4059)

  • 2025年10月08日

 札幌市議会が、MICE(大規模な展示場や数千人~1万人規模の国際会議が可能な施設)関連予算を可決したことが報道されました。

 予算案は28年取得予定の土地取得費(不動産鑑定評価額)と調査費で、現時点で105億を債務負担行為(将来に支出が必要な事業やプロジェクトに前もって資金を用意すること)として認めたことになります。

 ただ、当初予定していた事業費は341億円でしたが、土地や工事費が高騰し現在の見積もりは592億円となった事から、年度ごとに事業費を債務負担行為で上乗せしていく考えのようです。

 場所は、中島公園近辺と言うことはこれまでの報道で明らかになっており、今のパークホテルの建て替えに併せて隣接する場所に建設し、国際展示場や会議場と宿泊施設が一体となった複合施設として、様々なイベントなども展開できる事になります。

 さて、これまでは、MICEという施設とホテル、劇場、ショッピングモール、スパ、そしてカジノを備えた総合施設であるIR(インテグレ-ティッド・リゾート)が日本で進められ、今は大阪の万博会場の夢洲にIRが建設中です。

 政府は、国内で後2カ所、全部で3カ所のIR・カジノ施設を認めることにしており、北海道の鈴木知事も、「北海道らしいIR」を検討し、11月26日から始まる北海道議会第4会定例会で報告することを明言しています。

 そして北海道が道内自治体を調査した結果、函館市と苫小牧市がIRに興味がある事を道に伝えました。

 しかし、IRにはカジノという「おまけ」が嫌でも付いてきます。

 北海道がカジノを積極的に誘致しようとするのかが問われますし、そしてそれは函館市と苫小牧市も同様です。道はこれまで道民の理解が得られないと判断し、知事は当時の候補地とされていたウトナイ湖周辺の環境変化を理由に結論を先送りしていました。

 今回、「北海道らしいIRを」と答弁しましたが、人口190万人以上の政令都市である札幌市が、MICEを本格的に推進することになった事から、その大きな役割は札幌市が先行することになりました。

 後は、函館市や苫小牧市がIRをどのように展開する考えなのかが問われます。

 国際会議場、国際展示場、ホテル、カジノ、劇場、ショッピングモール、スパの複合施設を維持することが果たして出来るという裏付けがあるのでしょうか。

 札幌市のMICEと道のIRカジノ、競合していけるとは到底思えません。


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