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43兆円の行方(ブログ3489)

  • 2024年02月21日

 道新によると、<防衛力強化に関する有識者会議の初会合が開かれ、座長を務める榊原定征元経団連会長が物価高や円安を踏まえて「43兆円の枠の中で、防衛力装備の強化が本当に出来るのか。現実的な視点で見直す必要があるのではないか」とさらなる増額に言及し、木原防衛相は25年度以降の防衛費を視野に「『ポスト43兆円』の話をいかに進めるかも並行して検討したい」と前向きな姿勢を示しました。

 岸田首相は国会で「43兆円の規模と内容を維持したい」と答弁。林官房長官は「あくまで有識者としての意見。43兆円程度の規模を超えること無く防衛力抜本強化を実現する」とこたえています。>との内容が報道されました。

 昨年11月1日の私のブログで、43兆円の兵器購入の返済計画で、政府は2024年度から27年度の4年間を1ドル=108円のレートで設定している事を掲載させていただきました。

 この数ヶ月で、政府は24年度からの返済を1年延長し、25年度からという考え方を示していますが、今は1ドル=150円となっています。

 昨年のブログの一部を再掲します。

 <43兆円という全体額は為替変動も包含した金額として閣議決定されていますから、円安が続くと装備品の数量を抑制しなければ43兆円で間に合わなくなります。

 108円:150円は、約39%の違いがあるので、年間4兆円を1ドル150円で返済するとすれば5兆5600億円と増額になりますから、4兆円との差は1兆5600億円、これが4年間だと6兆2400億円となります。

 つまり、このまま円安が150円で推移した場合、4年分だけでも6兆2400億円の装備品を抑制しなければなりません。

 しかし、米国との間で装備品の品目・数量は決定済みであり、さらに、「有償対外軍事援助(FMS)」というシステムで縛られています。これは契約時に代金を前払いし、納入時に追加分を支払ういう内容となっています。つまり、このシステムは米国の言い値でいくらでも購入金額が高くなるというカラクリになっています。

 したがって、普通に考えれば、43兆円分の兵器が円安で価格高騰しても米国との間では決まった数量の兵器・装備品を購入しなければなりませんから、当然43兆円では間に合わなくなります。

 先ほども述べましたが43兆円は為替変動を包含した閣議決定であり、一方、米国との間では値段に関係なく当初計画通りの兵器・装備品を数量を購入しなければならないでしょう。政府が目算している分の増税では全く間に合わなくなることが想定されます。>

と書かせていただきましたが、それが現実ということになってしまうことから、政府は榊原氏に観測気球を上げさせ、有識者もそう言っているのだからと木原防衛相が呼応する発言をしたのだと思います。

 防衛費をGDP2%にして43兆円という大金を兵器購入につぎ込むために、政府は所得税・法人税・たばこ税の増税を打ち出しましたが、それだけでは済まなくなり、またぞろ国民に負担を負わせる事になるのではないかと危惧します。


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