責任なき同意(ブログ4119)
- 2025年12月10日
今日、午後から道議会予算特別委員会知事総括質疑が行われ、自民党会派の質問の中で鈴木知事が泊原発3号機再稼働について「同意する」と答えました。
11月28日の本会議では、自民党の質問に答える形で「容認」に言及、そして今般も自民党会派の質問に答える形を取って「同意」を表明しました。
その同意の理由として①道内電気需要の増加見通し ②北電の電気料金値下げ ③脱原発電源の確保 として「安全」というフレーズは語られませんでした。
つまり泊3号炉再稼働に関わる道民の安全は、2の次ぎでもなく3の次ぎ以下に位置づけられてしまいました。
知事のこの問題における道議会のスタンスは、当初から与党にしか向いていませんでした。これは泊原発の再稼働を政治的に利用しただけで、道民の安全より自身の政治的立場を最優先させたと言うことに他なりません。
知事には原発によるシビア・アクシデント(重大事故)に対するポリシーは持ち合わせておらず、質問への答弁は全て副知事が用意した答弁書を読むだけであり、北海道行政の最高責任者は副知事3名である事は、この間の本会議や決算・予算特別委員会においての知事答弁を見ても、道庁の現実として明らかになりました。
また、知事は、「道議会の議論」と言いながら、自ら議員と討論しようとしない姿勢は、二元代表制の一方として機能していないことになります。
全ては部下に質問者との意見交換をさせ、自らの考えは曖昧にぼやかすだけ。これはご自身の考えに自信が無いという証左です。
北電も規制委も事故はあり得る事を認めています。しかし「いかなるリスクも、それを受ける人の同意がない場合に他人に与えれば、犯罪と見なす」と言うのが、「同意原則」で、この考え方は今日の一般的な法理とされています。これに沿うと、知事が行った泊原発再稼働の同意というのは、リスクを負う道民を無視しており、この法理に当てはめれば犯罪的行為と言うことになります。知事は道民の安全という一番大事な条件を蔑ろにしてしまいました。知事はこれまで、「原発は安全が第一」と話していましたが空虚に響き、詭弁だったことが明らかになりました。
今日の知事総括の答弁を聞いていると、どの答弁にも「最終的な責任は政府と北電にある」と答え、最後まで知事自らの責任を回避する姿勢だけが強調されるもので、今回の「同意」は、知事の「責任なき同意」ということになります。





