背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

観測気球方式

  • 2016年11月30日

 政府の規制改革推進会議が農協改革案を発表し、これを受けて、自民党の農林関係部会が大幅な改革を提言、北海道のJAや農家の皆さんから多くの反対の声が出された結果、自民党の農林部会においてこの改革案に異論が噴出し、小泉進次郎農林部会長が提言をとりまとめることが出来ず、ソフトな改革提言に落ち着いたのは皆さんご存じの通りです。

 結果、JA関係者は自民党の農林関係部会にエールを送り、良くやったと評価します。

 しかし、私達も農協関係者も「おかしい」と思わなければなりません。

 いつも自民党はこの手法を取り、「実」を確実に得ています。

 諮問機関や有識者会議などその名称は様々ですが、そこに諮問して答申を受け、答申通りの方向性を発表し、国民や関係団体の出方を伺う(俗に「観測気球」を上げると言います。)。

 そして、反対の声が出なければ実行に移し、反対の声が出れば妥協案を示して着地する。 妥協案で、最初の案を低減させれば自民党の評価が上がり、しかし一方で改革に先鞭を付け、少しずつ改革の範囲を広げる下地を確保すると言うことになり、自民党は二つの「実」を得ることになり、国民や関係団体はそのトラップにいつも引っかかるわけです。

 今回の農協改革も、あれほど堅牢だったJAに対し、これまでは提案さえ出来なかった課題に先鞭を付けました。

 生乳生産者団体以外に出荷した酪農家にも補給金を支出すること出来るようにし、「ホクレン」にくさびを打ち、「JA全農」には農薬や飼料・肥料などの生産資材の価格引き下げと組織のスリム化、農産物販売事業を委託販売から買い取り販売に転換、金融に関わる信用事業の改革への意識付けにも成功しました。

 それであっても、JAおよび関係団体の皆さんは「自民党が私達の言うことを聞いてくれた」と有り難がる構図です。

 TPPも含め、本当に自民党は皆さんのことを考えているのですか?

 いつもの手である、この「観測気球」方式にそろそろ気がついた方がいいのではないでしょうか。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.