背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

規制委は政府の手の中(ブログ3139)

  • 2023年02月15日

 原子力規制委員会(規制委)が13日に決定した「原発の60年超運転」の採決で、反対した石渡明委員の意見が報道されました。

 石渡氏主張は、

①原発運転期間延長を推進する経済産業省が示した新しい方針である、「原発運転の原則 40年、最長60年」ルールが変わらないなら、規制委側は法改正をする必要はない。

②この法改正は科学的、技術的な知見に基づくものでは無い。

③審査を厳しくすればするほど、高経年化した原子炉が運転されることになる。

 というものです。

 これに対し、中山規制委員長は、「根本のところから食い違ってしまったのは、極めて残念」と述べたようですが、この根本のところというのは、2020年7月に規制委が示した「原発の利用期間は原子力利用に関する政策判断で、原子力規制委員会が意見を述べる事柄では無い。」とした見解のことだと思います。

 しかし、これはあくまでも規制委と政府の立場の違いを尊重するという事であり、逆に<40年・60年にこだわらず、政策によって30年だってあり得る>とも解釈されます。

 とりわけ、この当時の政府見解は、「原発は可能な限り低減する」というものであり、原発の設計がおよそ40年の運転を見込んだものとなっていることを踏まえても、延長には疑問符が付きます。

 とりわけ、この時の議論についても石渡委員は、「当時の委員会では、充分に議論していない。この見解をあたかも金科玉条のように使い、40年ルールを無くしていいという議論にはならない。」と指摘し、同じ規制委員である田中知氏も「充分に議論したかと言えば、少なかったかもしれない。」と認めています。

 また、杉山委員も「我々は締め切りを守らなければいけないとせかされて議論してきた。規制委は独立した機関なので外のペースに巻き込まれず、じっくり議論して進めるべきだった。」と、拙速を求めた経産省のペースだったことに違和感を吐露し、判委員も「制度論ばかりが先行してしまって、60年超えの基準をどうするかが後回しになって、ふわっとしたまま、こういう形で決めないといけないことには違和感を覚える。」と、議論の進め方に苦言を呈しました。

 実に5人の規制委員のうち、石渡委員は反対、中山委員長以外の3人の委員が、こういう決め方に不自然さを露わにしました。

 今回の判断の根底には、昨年7月から「経産省」と、独立した第三者委員会の規制委員会の事務局機能を担う「原子力規制庁」との間で事前の打ち合わせが7回も行われ、規制委で行われる法改正の議論の骨子が練り上げられたことも明らかになっています。

 これでは、政府から独立した機関とは言えず、「それを検討する時間が限られていたから」と、拙速に判断したのは、中山委員長の政府への忖度ともとれる行為です。

 付け加えるなら、現在国内で稼働している一番古い原発は、関西電力の高浜1号炉の48年であり、60年まであと12年もの時間があります。

 規制委が拙速に政府の法改正に加担する必要性は全くありません。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.