背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

複合災害(ブログ3518)

  • 2024年03月20日

 1月に発生した「能登半島地震」は、地震だけでは無く、規制委員会で審査中の「志賀原発がもし稼働していたら」という避けて通れない複合災害について、真剣に考えなければいけないことを示唆してくれました。

 私たちは、東日本大震災を経験し、「地震・津波+原発事故」という重大な複合災害を経験しましたが、それ以後に各自治体で作成された「地域防災計画」、特に原発立地自治体と30km圏内のUPZに該当する自治体の避難計画には、複合災害ということが余り意識されないまま作り上げられたのではないかと感じています。

 北海道の泊原発が所在する当該の自治体と周辺13町の避難計画、そしてそれを統括する「北海道原子力防災計画」も、同様のような気がします。

 地震や津波などで泊原発が事故を起こした場合、先ずは5km圏内の住民は圏外に避難することになっていますが、その中心はバスでの避難です。北海道は「バス協会と協定を結んでいるから大丈夫」という考えですが、バス協会がバスを運行するのでは無く、バスの運転手が運行するのです。現状でも札幌市内を含めて減便が行われている中、それも放射線被曝のおそれがある場所に、命令とはいえ、断る運転手も少なくないと思います。

 また、道路が土砂崩れで通行不能になっても、すぐに啓開(通行を確保)する事になっていますが、能登半島地震では2週間以上の時間を要しています。

 さらに、5km圏内から30km圏内は原発事故があった場合、「屋内退避」となっていますが、同じく能登半島地震では、屋内退避する避難所が崩壊していたり、自宅も崩壊して車中やビニールハウスなどで過ごしているなど、屋内とは言えない状況に置かれることも現実である事が明らかになったのです。

 今後、避難計画は緊急を要するものについて政府が6月までに見直す事になっており、それを基本にして地域防災計画も見直されることになりますが、自然災害と原発事故の複合災害に対し、本当に安全な防災計画などあり得るのでしょうか。

 日本政府は、最悪の事は考えないと思います。なぜなら、それは原発を否定することにになるからです。

 つまり、原発をゼロにすれば複合災害は自然災害だけに留めることができ、被害者も被災者も最小にする事が出来ますが、原発を稼働している限り、複合災害の危険と背中合わせと言うことになります。

 日本は、自然災害それも地震大国です。そこに原発を何十個も稼働させるなど、狂気の沙汰でしかありません。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.