花角知事の判断(ブログ4101)
- 2025年11月22日
新潟県の花角知事が、柏崎刈羽原発6・7号炉を再稼働することを決断しました。
これまで、東電によるIDカードの不正利用が判明、さらにテロ対策上の重大事案が相次いだことから、規制委は21年~23年まで事実上の運転禁止命令を出す事態になりました。これら、数多くの不祥事が県民の不信を招き、県民意識調査では6割が「現状では再稼働の条件が整っていない」との認識を示しました。
更に、今月20日には、運転禁止命令期間の前後に別のテロ対策に関する資料を職員が勝手に持ち出していたことも判明。つまり、東電がいくら全社員の意識改革を行い、万全を期していると言っても、上手の手から水がこぼれています。
その事を県民は厳しく受け止めており、同じく県民意識調査でも「東電が柏崎刈羽原発を運転することが心配だ」と7割が回答しています。
新潟県民が使用する電力では無く東京都民が使用する電力で、リスクを負うのは新潟県民ということは納得が出来るものではなく、新潟県民の大半が、花角知事が賢明な判断をしてくれるだろうと思っていたはずです。
そのような県民の思いに対し知事は、県独自の福島原発事故の検証や事故時に想定される放射性物質の拡散シュミレーション、そして県民の意識調査を行い、県民に公開してきました。その県民意識調査が先ほどの結果です。
知事はまた、再稼働に関する是非の判断を行った後に、県民に「信を問う」とも発言してきました。当然県民は、「県民投票」か、あるいは「知事選挙」かと受け止めたことでしょう。そのように県民に思わせながら花角知事は、「制度上、知事の職を止められるのは県議会しか無い」と説明し、「次の議会に再稼働に関わる予算を提出する。この予算が可決するか否決になるかだ」と話しました。
知事は県民に「信を問う」のでは無く、知事与党の自民党が過半数を占めている県議会での予算の可否が、それにあたるという詐欺まがいの行動に出ました。
これは県民を裏切る行為そのものです。つまり、県独自の取組は県民を欺くアリバイ作りだったと言うことになります。
再稼働に対し、東電は新潟県に対し1,000億円の基金を拠出、政府はUPZ圏内の避難道の整備費を全額国費負担とすることを打ち出しました。
いつものように地元に「アメ」を差し出して、知事の後押しをしています。
事故にでもなれば、東京都民では無く新潟県民が避難を強いられ、放射線にさらされて被爆をし、健康被害をも覚悟し、県外への避難は帰宅もままならなず(福島原発事故では未だに数万人が帰宅できていない)、人生を大きく変えられてしまうことになります。
知事は、「今後も東電と政府が丁寧に説明することが大事だ」と話していますが、自ら知事が知事であるためのアイディンティティーを放り投げてしまうに等しく、この時点で知事としての存在意義が問われます。
さて、新潟県の次に全国から注目をされるのは泊原発と鈴木知事の判断です。
鈴木知事は、規制委が新規制基準をクリアーした時から、政府と北電に対して「道民に対して政府と北電がていねいな説明をするべき」とし、住民説明会はエネ庁と北電に丸投げしていますし、道独自の取組も全くありません。再稼働問題についてはまったく露出が無く、知事の存在もかなり薄く感じます。
新潟県知事の判断を鈴木知事はどのように受け止めているのでしょう。





