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自衛艦の領海侵犯(ブログ4004)

  • 2025年08月14日

 昨年の7月に海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が、中国浙江省沖の中国領海に誤って侵入した際に警告射撃を受けていたことが明らかになりました。砲弾は2発でしたが艦艇にはあたらずに被害はありませんでした。

 誤侵入の際に、すずつきの航行用電子海図に他国領海の境界を標示させるスイッチが入っていなかったことが判明、中国領海と気づかないままに航行を続けていました。

 すずつきは、中国の軍事訓練を公海上から警戒監視する任務についており、浙江省沖を航行していましたが、この時に中国領海に向かっているすずつきを発見した中国は、進路を変更するように何度も求めましたが、すずつきが中国との専用回線を含む「海空連絡メカニズム」も活用していなかった事も有り、領海侵入前に1発、侵入後に1発の警告射撃を受けました。

 警告射撃を受けたすずつきは、この時に電子海図に中国領海の表示が出ていなかったことから、その後も中国領海内を約20分間航行を続けました。

 中国政府は領海侵犯について日本側に抗議、日本側は、艦長が領海に入ったことに気がつかなかった技術的なミスと答えました。

 最新の高度な計器を備えた護衛艦で会っても、その計器のスイッチを入れていなかったというヒューマンエラー、更に重ねて海空連絡メカニズムも活用していなかったというミスが重なったことは、全く話にならず、艦長だけではなく副艦長や航海士、艦橋にいた全てのクルーがその任務にあたり緊張感が欠如していたということであり、怠慢だったと指摘されても言い訳が出来ない出来事です。

 他国の領海を侵犯することは偶発的な事であっても、相手国からみれば意図的な行動と見なされます。ましてや米国と自衛隊が仮想敵国としている国に対してであり、一歩間違えば一触即発の事態を招く結果になったかも知れません。

 海自はこの間、民間企業との癒着があったばかりであり、今回の事も含めて規律が緩んでいるのかと疑ってしまいます。


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