神が創った破壊者か(ブログ3933)
- 2025年06月04日
昨日は、トランプとハーバード大学について記載しましたが、彼は、大統領に就任するやいなや、気候変動枠組み条約(UNFCCC)からの離脱を宣言し、「地球温暖化はフェイクだ。石油を掘って掘って掘りまくれ」と二酸化炭素排出などお構いなしで、COPにも参加しません。
また、世界保健機構(WHO)からも離脱、「コロナは中国がまき散らしたもので、ただの風邪だ」と話しています。
さらに、米国内の「国際緊急経済権限法」を根拠とした「国家緊急事態」を宣言して、ありとあらゆる独裁的な政策を「国家安全保障」という名目で推し進めており、トランプ関税と世界経済システムの破壊はその最たるものとなっています。
また、多様性(ダイバシティ)、公平性(エクイタビリティ)、包括制(インクルージョン)の総称「DEI」を問題視して、人権まで圧力を強め、妊娠中絶はもちろん、白人・男性主義を色濃く主張して、移民排斥をも平然と行い、数多くの大統領令を乱発しています。
とりわけ、経済関連についてはニューヨーク州はじめ12の州が、これらを越権行為だとして訴訟を起こしています。その結果、いくつかの連邦地裁でトランプが行っている政策の差し止め判決が出されていますが、自らが大統領就任時の演説で「私は米国と世界を統治している」と豪語する男は、司法など「屁でも無い」と考えているのでしょう。
映画監督でジャーナリストの相田和弘氏は、<トランプは、違法であろうが何であろうが関係なしで、とにかく出したい命令を出す。当然数多くの訴訟が提起されるだろうが、連邦最高裁判決までは相当の“時間”がかかることから、その間に事実上トランプは法を超越してやりたい放題できるのだ。実際、関税は既に効力を発し、世界の政治・経済に深刻な影響を与えている。後日、最高裁で「違法」の結論が出たとしても、後の祭りである。 この調子で、トランプは国家公務員の大量解雇を行い、数千人の外国人留学生のビザを剥奪し、パレスチナ支援デモの指導者の永住権を剥奪して拘束した。また、かつてトランプの刑事事件に関わった大手法律事務所に対しては、その報復として連邦政府への立ち入りを制限し、機密情報へのアクセスを剥奪して屈服させた。そして、大学や公共放送に対する助成金を停止し、238人の外国人を司法手続き無しに「ギャングメンバー」としてエルサルバドルの悪名高い刑務所に送った。中には政権側の手違いで送られた男性も含まれていたが、「他国の刑務所にいるので呼び戻す権限は米国にない」とうそぶいて、呼び戻す努力を放棄している。
既に多くの大統領令が違法だと判断されるだろうし、既に判断されたものもある、だが、トランプはどこ吹く風だ。なぜなら既に命令は実行され、目的の多くは達成されているからである。それに、裁判所の判断に背いたとしても、取り締まるのは彼の配下にある司法省であり、いくらでもサボタージュはできるだろう。>と週刊金曜日に掲載しています。
まさに、昨日、ハーバード大学に対する彼の報復について、私のブログに記載した内容と同様であり、今の米国は取り返しのつかない「過ち」を犯し続けていると思います。