理由無き定数削減(ブログ4114)
- 2025年12月05日
臨時国会が17日で会期末を迎える中、自民党と維新の連立政権が今国会中に議員定数削減法案を提出し、臨時国会中の成立を目指しています。
現行の定数465から420に削減する案は、小選挙区25名、比例代表20名を明記し、法施行から1年以内に結論が出ない場合は、法案の実効性を担保するために自動的に削減するということまで言い出しました。
昨日の新聞では、2020年の国勢調査を基にすると北海道の削減数は小選挙区で1名比例代表では1名という数が掲載され、ことし行われた2025年の国勢調査の速報値はまだ出ていませんが、25年度の人口の場合は、小選挙区1~2名、比例代表1名となるという試算が出ています。
これは単純に計算した場合ですが、そもそもナゼ今なのか、小選挙区25名削減という根拠は何なのか、比例代表20名削減という根拠はどういうことなのかが全く明らかになっておらず、なぜ、身を切る改革が議員定数の削減なのかも明らかにしていません。
理屈の無い思いつきで1割の削減とは、何と乱暴な政権なのでしょう。理由も無く、立法事実も無い単なる維新のパフォーマンスに過ぎない公約を、連立維持だけが目的の高市氏が丸呑みし、実行しようとしています。
無論、自民党も無傷なはずはありませんが、それ以上に、人口の少ない地方の小選挙区の声や、中小政党が重視する比例をやみくもに削減すれば、多様な国民の声が政治に届かなくなるということの意識が全く無い高市氏の安直な判断は、なぜかトランプ氏に通底していること、そして首相としての資質が無いことを改めて知ることになりました。
現在、自維+無所属で衆議院に過半数を得たことから、法案提出後は必ず強行採決することでしょう。法案が成立すれば、1年間の具体的な議論に入りますが、協議が整わなければ、それはそれとしながら自動的に削減する担保付きの法案ですから、有無を言わさずに定数は削減されます。
これに味をしめれば、今後は様々な法案にこの手法が取り入れられるかもしれません。
国会は熟議の場であったはずですが、これからは議論では無く単純に多数決の場と変貌することに違和感を感じます。
国会も自民党も高市氏の出現で、常識が通らない思いつきの独裁へと向かって行くでしょう。





