海底送電網の増強(ブログ4114)
- 2025年12月06日
北海道と本州の間には、お互いに電源を融通することを目的とした、いわゆる「北本連係線」が有り、その容量は現在90万kwで、さらに27年度末には30万kwが増強され120万kwとなります。
そして、昨日の新聞報道では、後志管内を基点に容量200万kwの送電線を秋田県を経由して新潟県までつなぐ計画があり、約2兆円の資金調達を含めた整備計画の基となる「実施案」を26日までに提出することになっているようです。
整備は、北電の子会社である「北電ネットワーク」を含む4社が担う予定となっていますが、この計画について、道は道議会の「エネ特(産炭地振興・GX推進・エネルギー対策特別委員会)」に一切報告がされていません。
この計画の整備費は約2兆円ですが、資材価格や工事費の高騰により、今後はさらに膨らみ当初計画の2倍ほどになるという観測も出されていますが、この計画は国家プロジェクトでもあり、経産省は工期6年~10年と見込んでいますが、スケジュールが遅れないように全力を尽くすと話しています。
さて、後志地方を基点として秋田県までの送電と言われると、後志地方にはご存じのとおり「泊原発」が設置されている泊村も含まれています。
報道では、石狩湾新港の洋上風力発電等の再生エネルギーを本州に送電することを目的としているようですが・・・。
ちょっと疑って考えると、泊原発は、いま3号機の再稼働が行われようとしていますが、北電の斉藤社長はその後1・2号機も再稼働を申請したいと発表しています。1・2・3号機が揃うと出力は約207万kwです。ナゼか新しい送電線の容量と数字が合致します。
一方、関西電力は石狩湾新港の洋上風力発電に対して、今後、新たに178万kwの設置計画を持っていますが、石狩湾新港は、石狩管内であって、後志管内ではありません。
つまり、この計画により、泊原発の発電量と同じだけの電源が後志管内から秋田県に送電され、その後に新潟県に送電されるということは、新潟には東電の柏崎刈羽原発がある事から関東の電源となるかも知れません。そのために泊原発が稼働すると言う事にも繋がりかねない気がします。
これでは、新潟県の東京電力柏崎刈羽原発で発電した電力が新潟県で使用するのでは無く、全て東京へ送電され、新潟県民だけが原発のリスクを負う構図と同じことになるわけで、鈴木知事が「泊原発と柏崎刈羽はその目的が違う」という理由で住民意識調査を行わなかったことは、その根拠を失います。
また、そうでないにしても、新たな洋上風力の再生可能エネルギーが関西電力に送電されると言うので有れば、北海道のポテンシャルをみすみす道外に移出して、道民は原発の電力を使用するという本末転倒な事態となります。さあ、道はこの計画についてどのような見解を持っているのでしょうか。そして、泊原発は誰のために稼働するのか。
11日には、第4回定例会の前日委員会が開催されます。この時のエネ特に、この計画が報告されるのでしょうか?注視したいと思います。





