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核保有発言(ブログ4130)

  • 2025年12月21日

 官邸の安全保障を担当する高官が記者団に対して、オフレコだが「私は核を持つべきだと思っている」と発言した事が国内外に波紋を呼んでいます。

 国内では、当然のことながら唯一の被爆国である日本が、その悲惨な体験をしたにも関わらず、そのような発言をした事に対して、非難ごうごうです。

 無論、核兵器廃絶の運動を長年続けてきたことでノーベル平和賞を受賞した被団協の皆さんは、「これまで、自分達は何のためにこの運動を続けてきたのか」と政府に抗議、自民党の内部でも、発言者を罷免するのは当然と言う声が出ています。

 無論、中国は高市氏の台湾発言の後に間髪を置かず、官邸高官が核保有論を発言したことで、より日本の危険性を国際社会に訴えています。

 さて、この高官について、マスコミでは実名を明らかにしていませんでしたが、水島高穂氏の「直言」では、実名を記すとし、発表しています。

 このとんでもない発言をしたのは、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策及び核軍縮・不拡散問題担当)尾上定正(おうえさだまさ)氏とのことです。

 括弧書きしましたが、この補佐官の使命は核軍縮・不拡散問題担当という立場の方です。

 職務に忠実ならば、核保有など言える立場ではありません。

 つまり、職務に誠実では無い補佐官を任命した高市氏の責任は重いですし、当然、尾上氏は自らその職を退くべきでは無いでしょうか。

 このような方が高市氏のそばで安全保障について助言していたからこそ、国会での岡田氏の質問に対して、言うべきでは無い事までアドリブで話してしまったのでしょう。

 防衛大卒業後、防衛省に入庁し、その後、防衛大臣政策参与から今の補佐官に就任しましたが、今月に入ってからも、足繁く三菱重工や川崎重工などの軍需企業を訪問しています。これは、防衛装備移転三原則の見直しが整ったら、同盟国や同士国に殺傷能力のある艦船や潜水艦の輸出をまとめることを前提に事前に政府の方向性を話していたのではないかとも受け取れます。尾上氏は、高市氏の安保政策に深く関与する人物です。

 さて、尾上氏は、日本の「核保有」が現実的に可能と思っているのでしょうか。

 まず、日本は「非核三原則」を国是としています。国是とは、国を挙げて是と認められたもので、国家としての方針、国家行動の基本原則であることを意味しています。そしてこの非核三原則は、78年の衆議院本会議での決議、82年の衆参両院の本会議で国是として決議されただけでは無く、この間、国権の最高機関である国会で6度も全会一致で採択されて国是とされてきました。これは、時の内閣と与党だけで軽々に見直せる様な原則とはその意味合いと重さが違います。この国是を見直すなどと言う空気が出てくる事を危惧し、被団協は非核三原則を法制化する取組を続けてきました。

 また、核保有には日本がNPT(核不拡散条約」から脱退しなければなりません。

 米国は、先ほどの尾上発言に対して、「日本は唯一の被爆国として国際社会で核兵器廃絶を訴えてきた。日本は核不拡散と核軍備管理の推進において世界的リーダーだ」と、これまでの日本の立場維持していくことを求めました。

 さらに、日本は永久敗戦国です。その立場から逃れることは出来ません。

 つまり、戦勝国である国連安全保障常任理事国5ヶ国が、その事を認めるはずがないのです。「日本が核を保有すれば、いつか戦争を始める」と思われています。日本は戦争について戦勝国の信頼が無いのです。その事を理解していない危険な側近は排除すべきです。


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