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押しつけ憲法ではなかった

  • 2016年10月11日

 安倍晋三、その取り巻き、日本会議、その他自称改憲派は、事あるごとに「今の憲法はGHQに押しつけられた憲法であり、日本人による自主憲法を制定しよう。」と訴えています。

 とりわけ、押しつけられた憲法と言うことをことさら協調し、改憲勢力が三分の二に達したこの臨時国会で憲法審査会を動かそうとしています。

 先般、日刊ゲンダイを読んでいたら「注目の人・直撃インタビュー:堀尾輝久東大名誉教授」という記事を目にしました。

 そのインタビューは1958年12月に当時の憲法調査会・高柳賢三会長とマッカーサーとの往復書簡を、堀尾教授が今年1月に国会図書館で見つけ、そこに書かれていた内容を話された記事でした。

 その書簡によると、憲法調査会のトップとして憲法成立過程を調査していた高柳会長が、その経緯をマッカーサーに詳しく尋ねたもので、憲法9条がGHQの押しつけではなく、幣原首相が発案したものであることが書簡に述べられています。

 マッカーサーは、高柳会長への書簡で「本条は専ら外国への侵略を対象としたものであって、世界に対して精神的な指導力を与えようと意図したものであります。本条は幣原男爵の先見の明と経国の才と英知の記念塔として、永存することでありましょう。」と書かれており、堀尾氏は「交戦権と戦力の放棄は幣原発案であったことを示唆するものであり、発見したときは研究者として久しぶりに興奮した。」と記載されています。

 さらに、堀尾氏へのインタビューで、「さらに突っ込んだ書簡も有ります。<幣原首相は新憲法起草の際に戦力と武力の保持を禁止する条文を提案しましたか>という高柳会長のストレートな質問に、マッカーサーは<戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相がしたのです。>と明快に答えている。高柳会長はこのことを論文にまとめましたが、原文が無かった事が弱点だったが、ようやく原文が見つかった。安倍首相には是非とも目を通してもらいたい」と結んでいます。

 これまで、GHQ草案論、国会での修正論など様々な議論が百出していましたが、今回の往復書簡の発見で、9条に対しての強力な学術的裏付けが為されたのではないかと思います。


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