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戦争の検証(ブログ4005)

  • 2025年08月15日

 今日は、敗戦の日です。

 今日に向け、新聞各社やマスコミも特集を組んで、当時の状況を振り返っています。

 その内容は、より史実に基づいたもので、私の知り得ないことも多くありました。

 私は、ドキュメントが好きなので、この時期のNHK番組は興味深く視聴していますし、第2次世界大戦、とりわけアジア・太平洋を戦場としたノンフィクションを下地としたドラマや映画も時間が許す限り視聴しています。

 先般、自民党西田昌治衆議が沖縄戦について、事実に反した歴史修正を平然とおこなった事に、国会議員の劣化を見た思いですが、残念ながら歴史のまち古都京都の有権者はこの衆議に再度議席を与えました。また、「天皇を元首に」、「主権は国家に」という憲法草案を発表している参政党が議席を伸ばし、「核武装が一番安上がり」などと声高に叫んでいた東京都選挙区の方も議席を得る事になりました。

 防衛ジャーナリストの半田滋氏の言葉を借りれば「政治家の言葉は、本来、深謀遠慮の結果、生み出されるべきだ。しかし、事実の歪曲どころか発言の根拠となる事実さえ知らない政治家の『言ったもの勝ち』の世界。政治家の劣化は有権者の劣化の裏返しかも知れない。」半田氏は、日本が核武装に舵を切った場合何が起こるかを現実的に網羅した中で、この議員を批判しました。

 さて、敗戦後80年ですから、自らの体験として戦争の経験をしていない世代が大多数を占める現在、被害者であっても加害者でもある日本を知らず、戦争の悲惨な負の部分から目を背けて、刹那的な感情と足下だけを気にかける世代が多くなってしまったように思えます。

 なぜなのでしょう。当時、敗戦国と言われたドイツやイタリアなどは、この戦争についての国家としての検証を行っていますが、日本は、日清・日ロ戦争から引き続いた日中戦争そして世界大戦という約130年間に及ぶ戦争の検証を国家として行っておりません。

 したがって、西田昌治のような歴史修正主義者が好き勝手な言葉を発するのです。

 石破氏が、80年談話を行わないと判断したのは、党内事情なのかも知れませんが、少なくとも国家として、有識者による「検証委員会」を設置し、日中戦争から始まったアジア・太平洋戦争について、史実に基づいた客観的な検証と総括を行うべきです。いや、今行わなければ当時の事を知る方々も途絶えてしまいますし、歴史修正主義者の台頭で重要な資料や史料も廃棄されてしまう可能性が有ります。

 政府として正しい史実とその検証を持ち合わせていれば、若い方々や将来の人々がその事を受け止めた世界観を持ってくれるでしょう。

 石破氏が今やることは「文書」や「メッセージ」ではなく、その土台となる検証ではないでしょうか。


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