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年金カット法案

  • 2016年11月13日

 臨時国会では、安倍晋三の独断でTPP関連法案の審議が重点的に行われているために、他の法案の審議が遅れ、臨時国会で成立が危ぶまれている事が新聞に掲載されていました。

 政府は、国会を12月中旬まで引き延ばし、一つでも多くの法案を採決したいようですが、既にオバマ大統領も在任中のTPP成立をあきらめましたから、日本が国会で審議する意味も無いのにもかかわらず、安倍晋三は執念のように参議院でも審議を加速させています。

 そのあおりが他の法案へ大きく影響を与えています。

 審議されるはずの大きな法案のうち、問題を内包している法案があります。それが「年金制度改革関連法案」です。

 この年金法案は、少子高齢化の時代を迎え、高齢者への年金支給額を抑制する内容であることから、私ども民進党は「年金カット法案」と呼んで批判しています。

 厚労省は、5年に一度年金財政の試算を行っており、最近の試算は2014年(平成26年)のものですが、この中に今後の年金制度をどのようにするか厚労省の考えが組み込まれています。

 ①一つは、この間も議論されております「マクロ経済スライドの見直し」です。

 今までは物価や賃金が上昇すると、連動して年金支給額も上がる制度となっていましたが、この度の法案は、物価が上がったとしても一方で賃金が下がった場合、これまではすえ置かれていた年金額を賃金の下落率と同様に引き下げる。

 物価が下がっても、賃金の下げ幅の方が大きい場合、これまでは、物価の下げ率分だけ年金支給額が下がっていましたが、より下げ幅の大きい賃金の下落率に併せて減額をすることになり、これまでの制度と打って変わった、必ず年金支給額が下がる方式を取り入れようとしています。

 今回の政府の考え方を基に試算をすると、2005年に施行されたと仮定すれば本年度の支給額は5.2%の減額となってしまいます。

 ②二つ目は、年金の被保険者(加入者)を増やし、財源を確保するということです。

 すでに、10月からパート・アルバイトの社会保険(健康保険・厚生年金)適用拡大が始まり、約25万人増やす計画で、この先は、月5.8万円以上の賃金所得が有り、月20時間以上の短時間労働者を保険対象者とし、その先には月5.8万円以上の賃金収入がある全ての労働者を保険対象者として年金保険料を支払わせ、年金財源を確保するという考えです。

 ③三つ目は、保険料納付年数の延長と給付年齢の引き上げです。

 現在、20歳から60歳までの納付期間を、今後は20歳から65歳まで5年間延長し、40年間の払い込みを45年間とする。

 併せて、現在は3年に一度、1歳ずつ支給開始年齢が引き上がっていきますが、それを2年に一度に短縮し、さらに支給年齢を現行の65歳から68歳まで引き上げるというものです。

 今回の年金制度改革法案は①と②が頭出しすることになりますが、早晩③も制度化されることになるでしょう。

 年金の支給額を減額し、受給年齢を引き上げることで「出を押さえ」、加入者を増やし、納付期間を延長することで「入りを増やす」という計画です。

 これでは、現役の頃から老後に備えて貯蓄を怠りなく実行しなければ悲惨な老後が待っています。

 しかし、今の現役の皆さんは、アベノミクスの影響でトリクルダウンも無く、一向に改善されない賃金の中で子育てなどにお金が掛かり、貯金に廻す余裕はあまりありません。

 政府は、年金基金の運用を株にシフトし、すでに10兆円以上の損失を出していても、「アベノミクス」の失敗を認めたくないために、一向に改めようとはしません。

 安心できない老後、消費は一層押さえられることになるでしょう。


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