少子化への対策は(ブログ3934)
- 2025年06月05日
北海道の合計特殊出生率が1.01となり、1.0を切るのも時間の問題となりました。
これまでも厚労省は1994年に「エンゼルプラン」、1999年に「新エンゼルプラン」などで子育て施策に重点を置いてきましたが、その効果は全く薄く、年々合計特殊出生率は右肩下がりを続けています。これは、いままでの施策が中途半端だったと言う事を示しており、政府の将来を見据えた人口対策が不完全だったことは否めません。
かと言って、特効薬があるかというとそれも難しく、様々な有識者や学者が知恵を絞っても、ただただ腕を組むしか無いようです。
政府は、23年に「子ども家庭庁」を作り、子ども・子育て政策を推し進めていますが、これとて、出生率の低下に歯止めをかけるほどの効果とはなっておりません。
話題になるのは、児童手当の拡充、出産費用の公費負担、保育料の無償化、高校授業料の実質無償化、雇用の充実、所得向上のための経済施策、子育て家庭の住宅建築費助成、育児休暇の期間延長等々。しかし、これとても、右肩下がりを止めるまでには至っていません。
2030年までが少子化傾向を反転させるラストチャンスと言われますが、若い方々のマインドは、出産・育児への金銭的な支援を期待して出産を判断するということでは無いような気がします。
私が感じるのは、漠然とした将来への不安、これからの社会が子ども達に希望が持てる社会なのだろうか、今現在でも生きていくのがやっとなのに、子どもに対して責任が持てるのだろうか、結婚して子どもが生まれると自分の時間が制限される、自分の収入は自分で自由に使いたい・・・。
従って、結婚しても子どもを作らない方々も増え、代わりにペットを飼って「疑似子育て」を楽しむ、独身女性の多くは猫を飼い、お互いにその話に夢中になっています。
今の子育て世代には、各種の子育て支援は有り難いでしょうが、それだけでは少子化は解決しません。子どもを持てば、代わりに社会が子育てをしますとなれば、自分が親だという意識が低下するでしょうし、親子の間で愛情は育まれないかもしれません。
老後の年金も心配となり、子育て費用を貯蓄にまわすと言う事も現実の選択となるでしょう。そういうことを選択せざるを得ない社会では無く、自分の老後も心配なく、子育てが楽しいという風潮をどうすれば導き出せるのか、その「解」を早く見つけ出さなければ、これまでの推計のような人口減の道を辿ることになることから、全ての省庁が横断的にそして集中的に制度設計を行う事が必要では無いでしょうか。