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子育てへの欺瞞

  • 2016年04月05日

 塩崎厚労相が、保育士の給料を上げるよう求めた約2万8,000筆の署名の受け取りを拒否したことが報道されました。

 その理由が、「選挙前に野党の得点になってしまう。」というものです。

 なんと、これだけ問題になっている保育所待機児の受け皿に関わるマンパワーの確保としての保育士の待遇改善に対し、所管大臣がまともに受け止めることなく受け取りを拒否し、厚労省の担当役人が受け取ったということは、政府の待機児問題への興味の薄さと優先順位の低さを如実に表しているものと思います。

 思い出して下さい、12年の「社会保障と勢の一体改革」では、消費税の増税分は社会保障に充てる、そして、保育士の給与の引き上げや職員の配置を厚くすることが盛り込まれていたではないですか、それなのに、安倍晋三はこれをまったく無視したままにし、何の改善もしてきませんでした。

 30日の衆院厚労委員会において、民進党の山尾政調会長が「この緊急対策のために確保されたお金はあるのか。」と質問すると、塩崎厚労相は「新たな財源を組むということではない」と答弁、これに対し山尾氏が「新たな財源ゼロ、予算措置ゼロ、保育士給与改善ゼロ、これで、緊急対策なのか。どうやって8万人を超える広義の待機児を解消するのか」と迫りましたが、結局、安倍晋三にとって、緊急対策と言っているのは表面だけで、待機児問題は緊急対策ではなく参議院選挙対策のようです。

 なぜならば、保育士の待遇改善についての政府・与党の考え方は、中長期的課題に留めるということになっています。

 しかし、これほど世論の批判が高まっていることに自民党、公明党はそれぞれプロジェクトチームを設置し、待機児問題について検討を始めましたが、民間平均賃金より約11万円も低い保育士の待遇改善はについては2%アップを検討、2%とはたった4千円~5千円程度ということです。

 民主党、維新の党は当初1万円のアップでしたがこの金額も「雀の涙」と批判され、民進党になってから月額5万円の引き上げを行うように確認をしました。

 野党の要求と同じ金額だということで政府・厚労相が保育士の賃金5万円アップの署名の受け取りを拒否したというのでは、肝っ玉の小ささを露呈したようなものです。

 さて、自民党の考えの根底にあるのは、いくら「1億総活躍社会」と言い、「女性の社会進出」とは言ってみても、子育ては社会が行うのではなく母親がやるもの、家族の協力の下で行うべきものというものです。

 なぜかと言いますと、自民党の憲法改定草案第24条<家族、婚姻等に関する基本原則>には「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として尊重される。家族は互いに助け合わなければならない」と書かれているからです。

 すなわち、「子育ては社会が行う前に家族が責任を持って行わなければならない」というのが、その基本的な考え方にあるのです。

 その自民党に期待しますか?


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