背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

天皇のお心を察した判断を

  • 2016年11月22日

 天皇陛下の生前退位に関わる有識者会議が行われています。

 今年の8月8日にテレビで「お気持ち」を発して以降、安倍晋三は皇室典範の抜本改正に拒否感を示し、1代限りの特別法で対処する考えを明らかにしました。

 有識者会議は、この安倍晋三の考えにお墨付きを与えるかのような偏った(日本会議メンバーやそのシンパが多い)人選となり、その検討結果が注目されますが、これまでに有識者会議において専門家による意見聴取を行い、その発言が新聞にも掲載されていました。

 それぞれの主張を見ると、意外なことに気づきます。

 天皇制を支持し、天皇が国家の元首として君臨することを求めている日本会議、その会員や影響を受けている方々、いわゆる保守な右寄りの方々の発言は、概ね生前退位に反対であり、天皇の「お気持ち」に沿わない内容となっています。

 一方、リベラルな左寄りの方々の発言は、概ね生前退位を容認し、ご高齢での公務遂行に配慮すべきと、天皇の「お気持ち」に沿った内容となっています。

 天皇を崇敬する方々が天皇のお心を理解せず、概ね象徴天皇と意識されている方々が天皇のお心を理解するという、なぜか、意外な主張となっています。

 私は、8月8日の「お気持ち」の放送の翌日に書いたブログにも考え方を掲載しましたが、国事行為、公務、天皇自ら行う平和への慰霊や災害地への慰問などの行為、更に1年中行われる宮中祭祀の「祭祀王」としての国家神道の骨格を為す行為、間断なく勤めなければならないこれらの行為を、ご高齢にあっても天皇として責任を持って行うには限界が有るということ。

 それに併せて、同じく「お気持ち」で話されていた葬儀における「殯り(もがり)」を、若い皇族に負わせるのは偲びがたいというお考えはもっともだと思います。

 「殯(もがり)」とは、ウィキペディアによると、「日本の古代に行われていた葬儀儀礼で、死者を本葬するまでのかなり長い期間、棺に遺体を仮安置し、別れを惜しみ、死者の霊魂を畏れ、かつ慰め、死者の復活を願いつつも遺体の腐乱・白骨化などの物理的変化を確認することにより、死者の最終的な「死」を確認すること。」とあります。

 いわゆる遺体が腐乱し白骨化するまでを見届け、復活が無いことを確認する儀礼ということです。

 なるほど、これは現代にはそぐわない、新しい皇室にとっても精神的に苦痛な儀礼だと思います。

 有識者会議の方々には、天皇が、自らの事だけを主張したのではなく、次代を担う皇族の事もお考えになり、批判が有ろうとも、国民にお伝えせざるを得なかった心中を察した判断をしていただきたいものと思います。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.