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大本営発表と通底

  • 2017年02月09日

 南スーダンのPKOに派遣されている陸上自衛隊が、昨年7月に首都ジュバで勃発した大規模な武力衝突を記録する日報に「激しい銃撃戦」「突発的な戦闘への巻き込まれに注意」などの記載が有ることが判り、国会でも論議を呼んでいます。

 私のブログ922(16年4月30日)では、2013年12月に南スーダンが内戦に陥った際の状況が書かれた内部文書を道新が入手したことについて触れました。

 そのブログの一部を再掲載します。

 “陸自研究本部が14年にまとめた「南スーダン派遣施設隊第5次要員に係る教訓要報」と「南スーダン派遣部隊に係る教訓要報」で約180ページにわたり緊迫した宿営地の様子が記載されていたようです。

 その中には「流れ弾や砲弾が宿営地に被害をもたらす可能性も否定できない」事や、「緊急的な被弾による被害防止のため全隊員に防弾チョッキや戦闘用ヘルメットの着用を命令」などが記され、さらにPKO派遣5原則の第1項目にある「当事者間の停戦合意」が実質的に崩れている現状や、緊急的な撤収計画もまとめられていたことも明らかにしています。

 しかし、防衛相は2件の文書についても1件しかみとめておらず、今に至っても「南スーダンの宿営地は安全である」ことを主張し、5月にも北海道から新たな派遣部隊を送り込む計画を実施することにしています。

 今回の陸自の要報については、今後のPKO活動や安保法案の具体的対処に大きな問題を孕んでいる内容となっていることから、国会でその真偽について明らかにすると共にPKOの撤収についても十分に審議をし、日本の自衛隊員が被害委を受けることのない対応を行うようにしていただきたいと思います。”

 と書かせていただきましたが、この時の「要報」は依然として公開されていません。

 また、ブログ894(16年4月5日)では、南スーダンでのPKO宿営地に着弾した銃弾を、陸自福知山駐屯地が展示していたことに触れさせていただき、この事件でも、政府は「調査中」、「何かの間違いで祝い事の際に空へ向けて発砲する週間があることからたまたま宿営地に落ちた」と述べていますが、宿営地に落ちたときに自衛隊員が被弾することも考えられることを書かせていただきました。

 この問題も、展示を取りやめ、後はうやむやで終わりです。

 今度も、日報に記載されていた「戦闘」という表現を、むりやり「衝突」という言葉にして問題ないと開き直っています。

 これは、戦時中、戦争を事変と言い、撤退を転身と言い変え、自爆を特攻と呼び、甚大な被害を被りながら「我が軍の被害は軽微なり」と発表する大本営発表と通底するものではないでしょうか。


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